「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

前半戦わずか3勝のやり方では戦えないのは明らか。メンバーの再考と配置転換と、やりたいサッカーではなく残留できるサッカーをやるべき。【J2第21節FC琉球戦レビュー】(19.7.7)

2019明治安田生命J2リーグ第21節

2019年7月6日19時キックオフ タピック県総ひやごんスタジアム
入場者数 3,082人(うち栃木サポーターはバックスタンドに約100人、メインスタンドに約50人、合計約150人)
天候 晴れ、無風
気温 27.8
湿度 76%
ピッチ 全面良芝、乾燥

FC琉球 3-0 栃木SC
(前半2-0、後半1-0)
得点者:19分 鈴木孝司(琉球)、40分 西岡大志(琉球)、73分 越智亮介(琉球)

<スターティングメンバー>

GK 50 ユ ヒョン
DF 4 藤原 広太朗
DF 15 森下 怜哉
DF 30 田代 雅也
MF 29 川田 拳登
MF 26 枝村 匠馬
MF 40 寺田 紳一
MF 14 西谷 優希
FW 9 大黒 将志
FW 10 西谷 和希
FW 37 浜下 瑛
控え
GK 23 川田 修平
DF 18 坂田 良太
DF 27 久富 良輔
MF 6 古波津 辰希
MF 5 ヘニキ
MF 32 荒井 秀賀
MF 11 平岡 翼

田坂和昭監督

 

60分 田代→久富
74分 枝村→古波津
83分 森下→坂田

▼攻めると失点するので攻めないで守り倒せ

結局、前節の愛媛戦と同じやられ方だった。

攻めて、そして、やられた。

19分の最初の失点シーンは、攻撃、守備、攻撃、守備というやり合いが続く中、守備ブロックが緩くなった中央にパスを通されてこじ開けられた。攻撃から切り替わった守備にどうしても緩慢さが出てしまう瞬間がある。その隙を見逃してくれなかった。

今週のトレーニングでは、琉球がストロングとする中央突破をまず防ぐべく、セットしたブロック守備はまず中央を閉じることに意識を持たせていた。

「前半はそれができていた時間と、簡単にボランチの上里選手にうまく中に通される場面と、両方があった」

藤原広太朗が言うとおりの前半序盤の展開だった。門を閉じられているシーンもあったが、19分の失点シーンは、残念ながら栃木の中央の門が緩くなった瞬間だった。琉球はボランチ上里一将が中央を射抜くパスを通し、間で受けた富所悠が中継すると、最後はストライカー鈴木孝司に繋いでゴールを奪いとった。

 

さすがのリーグトップスコアラー。一発を決め切るフィニッシュワークの質の高さが琉球の最大のストロングであり、栃木にはこれがなかった。

序盤の栃木は、確かに普段の試合よりもボールを握れていた。試合後のスタッツを見れば、ボールポゼッション率は50%同士のイーブンだった。

「相手が思っているよりも前から来なかった」(藤原)ことも要因だろう。この日の湿度は76%を記録。沖縄番の記者によれば「梅雨が戻ってきた」状況だったという。吸い込む空気が鉛のように重く、歩くだけでも体力を削がれる思いだった。ホームの琉球の選手たちにとっても厳しい環境に違いなく、序盤はやや抑えていたのかもしれない。

あるいは、栃木にあえて攻めさせたか。栃木の後ろを脆弱にするために。前節愛媛戦の栃木を分析すれば、攻めている栃木の切り替わった守備における脆弱さが容易に見て取れる。後ろにセットした守備を固めればそれなりに堅く守れる栃木の守備をばらけさせるために、あえて攻めさせた?

(残り 3816文字/全文: 5125文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ