「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

町田に対して5-3-2というリスキーな選択とラストの消極采配。崖っぷちに立たされる痛恨の勝点1。【J2第28節FC町田ゼルビア戦レビュー】(19.8.18)

2019明治安田生命J2リーグ第28節

2019年8月17日18時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム

入場者数 4,664人
天候 曇、無風
気温 31.1
湿度 70%
ピッチ 良芝、乾燥

栃木SC 0-0 FC町田ゼルビア
(前半0-0、後半0-0)
得点者:

<スターティングメンバー>

GK 50 ユ ヒョン
DF 4 藤原 広太朗
DF 36 乾 大知
DF 15 森下 怜哉
MF 37 浜下 瑛
MF 5 ヘニキ
MF 25 ユウリ
MF 45 瀬川 和樹
FW 9 大黒 将志
FW 10 西谷 和希
FW 47 キム ヒョン
控え
GK 23 川田 修平
DF 30 田代 雅也
MF 31 三宅 海斗
MF 26 枝村 匠馬
MF 24 和田 達也
FW 19 大島 康樹
FW 16 榊 翔太

田坂和昭監督

11分 瀬川→榊
90分 大黒→大島

▼町田に対してリスキーだった5-3-2

町田に対して5-3-2はリスキーだったのだから、なおさら最後まで貫き、ラストの20分はやや膠着状態に入るなか、勝ちにいく采配で勝ちにいかないといけないゲームだった。

田坂和昭監督は「相手のリスタートも踏まえて、最後の最後まで少し慎重にゲームを進めた」と言った。こうも話している。

「勝点3を狙いに行って奪えないのならば勝点1しかない」

確かにそうだが、勝てば順位が逆転する残留争い直接対決で、ホームで、また残りのカードも踏まえれば、ここで勝たねばならないという状況の中、リスクを負ってでも試合終了まで勝ちを目指す姿勢を見せるべき試合だった。

「現に前節京都戦では交代をしたことで失敗していますよね? 途中で交代したことでパワーダウンをしている」(田坂監督)

確かにそうだが、今節、栃木が戦ったのは自動昇格に向けて鼻息荒く、闘莉王や一美和成や小屋松知哉らが躍動する京都サンガではなく、7戦勝ちなしで栃木が勝てば順位を逆転できる町田だった。確かにロメロ・フランクは最後まで脅威だった。林陵平の脅威もちらついていた。だが残りのどのチームにも同程度の脅威は存在する。ここで相手に立ち向かっていけずにどうする。

9月には今節同様の残留争い直接対決3連戦(31節岐阜戦、32節福岡戦、33節鹿児島戦、状況次第で34節愛媛戦も含めれば4連戦か)が控えるが、今節のゲームの終わらせ方をみると、指揮官はまた同じことを繰り返すのではないかとの疑念を抱かざるを得ない。では、一体いつ勝利を掴み取るのか。残り試合が少なくなる中、必要な勝利数というものが現実問題としてある。

 

対町田戦に向けて練りに練った5-3-2のプラン自体はリスペクトしたい。

田坂監督は「この状況で勝点を取らないといけない中、今日は2トップにした時点でリスクを冒してやっている」と言った。

後ろに5枚を並べながらも「リスクを冒している」との発言は腑に落ちないかもしれないが、考えを巡らせば、町田に5-3-2で挑んだ栃木は、確かにリスクを負ったリスキーな戦い方をしたことがわかる。

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