「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

古波津辰希はチームの空気感を変えることができるか?「自分とか(和田)達也とかは、試合に出られていない選手たちの必死さや悔しさが痛いほどわかるから」【トピックス】(19.9.5)

▼自己管理、ついに実る

夜は白飯を食べない。試合前日から炭水化物も抜く。間食のお菓子も一切やめた。飲み物は水かお茶と決めている。そんな徹底を続けて2ヵ月になる。

練習が午前中で終わるときは、クラブハウス内でバイクを漕ぐか、河内の周りのコースを街並みを眺めながら一日最低45分は走る。伴走役は河内周辺がまさに地元という黒﨑隼人だ。

「最初は続くかなと思ったんですが、成果が数字に出るとやりがいになるし、それが習慣になりました。逆にやらないと落ち着かないくらい。さぼると罪悪感があるから、休みの日もできるだけ家の周りを走っているし、今はナイターゲームなので、午前中は家の周りを30分から40分かけて走って汗を流してから試合に臨んでいます。それも黒﨑と一緒に。二人でしゃべりながらやっています」

苦も無く走れるようになると、身体のキレが増すのがわかった。その様子をずっと間近で見てきた田坂監督の期待に応えられるプレーを見せたとき、今季初スタメンを飾ったのも自然の流れだった。

「チームバスから降りたときのあのサポーターの大応援、そして6番のユニフォームを掲げてくれて、自分のチャントを聞いたときにはやはり震えましたね。ピッチに立てば色んな声が聞こえてきましたが、グリスタでプレーするのは自分にとって一番の幸せだと改めて感じることができた瞬間でした。今まで出場機会が少なかった分、あのピッチでたくさんプレーできるように、これからも努力を続けて、勝利を掴んで、サポーターの皆さんと一緒に喜びたい。今はそれが一番にくる思いなんです」

ようやくスタートラインに立てたと言えるのかもしれない。流通経済大学から栃木SCに加入し、気づけばもう4年目だ。過去に“一生栃木SC宣言”をしたことも盛り上がったが、それから実力以上のものが先行してしまっていた自負はあった。

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