「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

最終節千葉戦に向けて、そしてオフの動き。【編集日記】(19.11.19)

チームは2日間のオフを挟み、明日から最終節千葉戦に向けたトレーニングを再開します。今季の最終週のトレーニングレポートを3日間にわたってお伝えしていきます。

 

前節栃木は長崎に対し、チーム一丸となった執念の闘いで1対0で勝利し、残留に望みを繋げました。積み上げた勝点は37。勝点40に町田と鹿児島が並んでいますが、得失点差では栃木がもっとも有利な状態にあります。わかりやすく、栃木は最終節千葉戦で勝てば、町田か鹿児島が敗れた時点で逆転残留という結果を手にすることになります。

チャンスはあると思います。そのためには、まず栃木が千葉に勝たねばなりません。前節長崎戦で露呈した課題はレビューに記したとおりですが、チームには最終節千葉戦に向けてしっかりと修正して臨むための時間がまだ残されています。

大事なのは、直近の試合で見せてきた、強気な姿勢だと思います。栃木は追う者です。そしてギリギリの闘いを切り抜けて勝点を積み重ね、町田や鹿児島を猛追しながらプレッシャーをかけてきました。追われる側のプレッシャーはこちらが想像する以上に大きなものではないでしょうか。町田も鹿児島も勝点1を掴めば残留が決まるわけですが、その勝点1を奪うのが至難の業。大事に勝点1を掴もうと受け身に回ってしまえば非常に危険な状況に陥るでしょう。それは栃木も同様ですが、幸運にも栃木は最終節も立場はこれまでと変わらず、追う者のままです。勝点3を掴み取ることでしか道は開けません。追う者らしく、勝点3だけを追い求める闘いできっちりと勝利を掴み取ってくれること、その上で、今度こそ吉報が舞い込むことを祈るのみです。

 

さて、今季の闘いを終えると来週からはオフシーズンに入ります。栃木フットボールマガジンは引き続き、オフの動きも逐一お伝えしていきます。まず最終節から数日後には関係各所に向けたシーズン報告会があるのでそのレポートを。そしてオフの間にはシーズン総括、補強の動きやポイントなどを中心にお伝えしていきます。できればフロントが描く今後のビジョンなども交えながら展開したいところですが、この辺りはどうなるか。

その他、今季限りの引退を決めた廣瀬浩二選手のロングインタビュー(SPRIDE)で「栃木の10年」を振り返る予定なので、ここでもその取材のこぼれ話などを展開していきます。

 

少し前の編集日記では”動画展開”について触れましたがもう少々試行錯誤させてください。動画編集となると(そこまで時間を割くつもりはないのですが)編集ソフトやPCのスペックなどが求められるため、まだ大きく踏み込めていません。ただ、映像素材だけは各地で撮り溜めています。オフや来季のキャンプでは活躍しているはず。

 

最後に、先日長崎遠征に行ったときのことを。試合が終わり、取材ミックスゾーンに辿り着くと、ちょうどスタジアムのグラウンド上で長崎のホーム最終戦セレモニーが始まったタイミングと重なりました。そして、今季限りで社長を退任することが発表されていた髙田明社長の挨拶が始まったのです。「……一言、挨拶をさせてください。といっても、ちょっと時間をかけるかもしれません」と髙田社長。そこまでは声が聞こえてきたのですが、ちょうど栃木の選手たちの取材タイムと被ってしまい、どんな内容だったかはわかりませんでした。ただ、あとになってJリーグが映像素材としてツイッター上に公開していたので、ノーカットで確認することができました。それが以下のとおりです。10分弱の動画ですが、聞き入ってしまいます。

 

「夢をどんどん語っていかなかったら、誰がついていきますか?」

特にこの言葉が突き刺さりました。結果だ結果だと追い求めるのは当然のことです。まさに今などは「絶対残留!」を掲げてしがみついてでも残留を掴み取ろうとするのが当たり前の姿勢でしょう。ただ、夢やビジョンを語り、そこに対してブレないこと。それは、目の前の結果よりもさらに上位に来るものなのだと改めて考えさせられる髙田社長からのメッセージです。皆さんはどう思われるでしょうか。最後の千葉戦に何が何でも勝ち切り、J2残留を掴み取ったあとに、改めてじっくりと思いを巡らせてみようと思います。

 

栃木フットボールマガジン 鈴木康浩

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