「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

エスクデロ競飛王が語る攻撃の改善点は?「昇格を目指すならばもっとリスクを負うプレーを」【インタビュー】(20.7.24)

撮影は稲葉美和

 

▼今のままでは9位、10位で終わってしまう

今季の栃木はボールを相手に明け渡すことも厭わず、まず相手ゴールに向かって速い攻めを仕掛けるスタイルを貫いている。ただ、前節金沢戦のように、相手に先制されたときは状況が異なってくる。開幕長崎戦、2節山形戦も先制されたので同様の展開だったが、その後に相手チームがとった戦法といえば、自陣にブロックを敷いて栃木の攻撃を受けてしっかり守りつつカウンターを狙う、というものだった。

となると、栃木は自分たちでボールを持ちながら攻撃を仕掛けなければならなくなる。ボールを持ちたくない栃木がボールを“持たされる”という状況になる。

エスクデロ競飛王は現状のチームの持つ力について「今のままでいけば9位、10位で終わってしまう」と見ている。自分たちでボールを持ったときの攻撃のクオリティを上げられなければ「昇格」は見えてこないと語る。

前節の金沢戦、79分にエスクデロが投入されると、ボールを保持して相手を押し込んでいた栃木の攻撃に少しずつ変化が生まれた。ボールを持った遅攻を展開する際の栃木のキーマンは、間違いなくエスクデロ競飛王だろう。その頭の中のイメージはどのようなものなのか。話を聞いてみた。

 

「もともと僕らはストーミングというサッカーを志向していて、シンプルに相手ゴール前にボールを入れてセカンドボールを拾って相手ゴールに迫るというサッカーをしています。それはスコアが0-0のときは効果的だし、ボールの入れ方も下から入れる、上から入れるなど、出場する選手たちも踏まえて変えるなど、色々と準備もできていると思います。ただ、先に失点を喫して0-1になったときに相手が引いてしまったときは、ここから一つ上のレベルのサッカーを目指さないといけないと思うんです。

もちろん、それでもゴール前にボールを入れることは変わりませんが、ボールをゴール前に入れたあとにセカンドボールを拾って再びマイボールになったとき、それでもまたシンプルにボールを入れることを繰り返すだけではなく、そこでボールを保持したとき、金沢戦で4人、5人と絡んで僕がフィニッシュまでもって行ったシーンがそうですが、あれだけ何人も動いてボールを動かしていけば絶対にチャンスは生まれるということです。シュートで終わったり、相手のGKキックで終われば、カウンターを受けることもなくなります。ボールを中に入れてから外に出すとか、フリックするとか、ワンタッチで打開するとか、ワンツーをするとか、栃木には色んなアイデアを出せる選手もいます。金沢戦の前の練習ではそういう形もかなり出せていたし、僕が投入されていてからは意図的にそういうプレーを繰り出せるシーンは増えました。

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