「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

劇的なアディショナル弾を導いた“空中戦のち地上戦”。【J2第20節 ジュビロ磐田戦レビュー】(20.9.20)

2020明治安田生命J2リーグ第20節

2020年9月19日19時キックオフ ヤマハスタジアム

入場者数 3,354人

ジュビロ磐田 2-3 栃木SC

(前半1-0、後半1-3)
得点者:10分 ルキアン(磐田)、50分 矢野貴章(栃木)、55分 ルキアン(磐田)、82分 明本考浩(栃木)、90+3分 柳育崇(栃木)

天候 雨一時曇り
気温 23.3
湿度 90%
ピッチ 全面良芝

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 4 髙杉 亮太
DF 30 田代 雅也
DF 6 瀬川 和樹
MF 15 溝渕 雄志
MF 25 佐藤 祥
MF 14 西谷 優希
MF 17 山本 廉
FW 29 矢野 貴章
FW 18 森 俊貴
FW 8 明本 考浩
控え

GK 50 オビ パウエル オビンナ
DF 23 柳 育崇
DF 33 黒﨑 隼人
MF 13 禹 相皓
FW 19 大島 康樹
FW 16 榊 翔太
FW 9 エスクデロ 競飛王

46分 森→大島
61分 矢野→エスクデロ
79分 溝渕→黒﨑
79分 山本→榊
90分 西谷→柳

 

▼ハイプレスで支配する栃木、一発がある磐田

試合後にTwitterのタイムラインを覗いていたら磐田サポーターのこんなtweetが飛び込んできた。

走力を全面に押し出す栃木の選手たちを見ながら、「やな予感」がしたという。やな予感……ヤナ予感……。まさしくであった。

 

4試合ぶりに矢野がスタメン復帰した栃木は長いボールを多用しながら前進を試みるが、磐田の大井や山本の2CBコンビは非常に人に強く、矢野も容易に勝たせてもらえなかった。

ただし、もう一つの武器である栃木のハイプレスに不調なし。その圧力が明らかに磐田を動揺させていた。

僕の取材ノートを見ると、7分、9分、11分、16分、19分、21分、27分、30分に「ハイプレス→マイボール」の速記が書かれてある。矢野、明本のプレスに続き、この日はとりわけ山本の前へのプレスに鋭さがあったが、対面の左SB伊藤の高精度のフィードを阻止するためだろう。ハイプレス連動から相手SBや相手GKから次々とフィードミスを誘う、狙い通りの展開に持ち込めていた。

だが、先手を取ったのは磐田だった。10分、栃木の攻撃回の相手のクリアが小川航に繋がってしまい、広大な背後のスペースにルキアンに走られてゴール右上に決められた。

不運と、ルキアンの圧倒的なスピード。警戒しながらも上回られた失点だった。

 

栃木はハイプレスの連動によって磐田に自由を与えなかったが、磐田にはFKやカウンターの質の高さから栃木ゴールを脅かす一発の怖さがあった。

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