「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

毎日2時間のヘディング練習を欠かさなかった八千代高時代。柳育崇「無駄なことは何一つないんだなと思います」【トピックス】(20.10.8)

▼5ゴール中ヘディングでは4ゴール

空中で止まるような、そして実に力強いヘディングである。柳育崇が言う。

「全てのヘディングに共通して意識していることは、相手よりも先に飛ぶことです。 それで身体が先に入ってしまえば先にボールに触れるし、相手もすごく嫌がるので」

岡山戦や水戸戦の後半アディショナルタイムの劇的弾もそうだった。前節長崎戦の43分、溝渕の右クロスに合わせたヘディングシュートもそうだった。このシーンはGKの手中にボールが収まってしまったが、可能性の高さを感じさせる力強いフィニッシュだった。

「コツというよりも感覚的なものですが、今まで積み上げてきたものが結果に繋がっているのだと思いますね」

ヘディングをしまくったそうである。遡るのは千葉県の強豪高、八千代高サッカー部に所属していた時代だ。柳は3年間、ヘディングの練習を欠かさなかった。それも圧倒的に。

「八千代では朝練後に少し、夕方の2時間の全体練習後には3時間くらい個人の練習をしていたのですが、そのうち2時間はヘディングの練習に充てていましたね」

最初は周りのチームメイトたちも一緒になって練習してくれるが、やがて一人だけの戦いが始まる。電柱のような柱に紐をくくりつけ、その紐の先端にボールをセットする。ボールを振り子のように揺らしたら助走をとり、タイミングを合わせて頭から飛び込んでいく。ボールを吊るす位置を少しずつ高くしていけば、打点の高いヘディングの精度も上がっていった。

1本、1本、タイミングと打点を確認しながら、2時間で繰り返す数はなんと50本ほど。夕方2時間の全体練習後に、また2時間、50本のジャンプをするだけでもしんどいのに、それを毎日欠かさずである。

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