「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

あの敗戦から磨き上げてきた強気のハイプレスで首位徳島も制圧せよ。【J2第33節 徳島ヴォルティス戦プレビュー】(20.11.10)

前節、栃木はホームで京都サンガF.C.に1対0。これで12勝10分10敗で勝点46、順位は8位まで浮上した。今節対峙する徳島ヴォルティスは前節アウェイで東京ヴェルディと対峙して2対1。19勝8分5敗で勝点65、3連勝で首位を走る。栃木は6戦負けなし、4戦連続クリーンシート中。首位撃破なるか。33節は鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムにて19時キックオフ。

 

▼前回対戦は「今季もっとも良くなかった試合」

前回の徳島との対戦は2か月前の9月9日、18節のことだった。試合は01、徳島のミドル一撃にやられた。

あの試合の栃木は徳島に対して前半、ハイプレスを機能させることができなかった。「これは自分たちの戦いではない」とハーフタイムに修正、後半立ち上がりから前からハメにいった出鼻の51分、小西にスーパーミドルを突き刺され、その1失点で敗れた。

前半のハイプレス連動が空転したことにより、そして後半序盤に先制した徳島が時間を消費するポゼッションに切り替えるなどしたため、終わってみれば徳島が70%のボール保持率を示したという試合だった。

栃木からすれば失敗したゲームである。田坂監督も今節を迎えるに当たり、前回の徳島戦を「今季もっとも良くなかった試合」としている。

智将リカルド・ロドリゲスの策略はあった。栃木が前からプレスに行けないような仕掛けを講じ(左ワイド西谷和希のFW化など)、それにまんまと栃木がハメられたという前半だった。だが、冷静になって整理してみれば栃木に「前から行く勇気」がなかったと言える前半だった。前から行って背後を取られることを恐れた、と断じることができる前半だった。

「あれは俺たちのサッカーじゃないよね?」

そのような確認ができた試合でもある。あの18節徳島戦から、あの酷い前半の経験が、その後の栃木にとって一つのテーマであり続けた。背後をやられてもいいから前から行け! そうやってやられた試合もあった。20節磐田戦(〇3-2)も、21節京都戦(●2-3)も背後のスペースを使われてやられた。

だが、そうした苦い失点を経験しながら、やがて激しい乱気流を掻いくぐった栃木は「前からハメにいく」強気の姿勢をどんどん研ぎ澄ましていく。そしてやられることはなくなった。

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