「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

課題を活かした「徹底」が実を結ぶ。難関“セミファイナル”を突破。【J2第41節 ジェフユナイテッド千葉戦レビュー】(20.12.17)

2020明治安田生命J2リーグ第41節

2020年12月16日19時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 4,486人

栃木SC 1-0 ジェフユナイテッド千葉

(前半0-0、後半1-0)
得点者:67分 柳育崇(栃木)

天候 晴れ
気温 -1
湿度 68%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 22 塩田 仁史
DF 33 黒﨑 隼人
DF 23 柳 育崇
DF 30 田代 雅也
MF 19 大島 康樹
MF 5 岩間 雄大
MF 17 山本 廉
MF 18 森 俊貴
FW 29 矢野 貴章
FW 9 エスクデロ 競飛王
FW 8 明本 考浩
控え

GK 1 川田 修平
DF 4 髙杉 亮太
DF 7 菅 和範
MF 6 瀬川 和樹
MF 14 西谷 優希
FW 34 有馬 幸太郎
FW 38 小堀 空

26分 エスクデロ→西谷
81分 大島→髙杉
81分 山本→瀬川
90+3分 明本→有馬
90+3分 矢野→小堀

▼しり上がりにギアが入った前半

真新しいスタジアムは気持ちがいい。四方を屋根で覆われているので歓声や拍手、ゴール裏の太鼓の音がビンビンと身体に響くのを感じた。

「試合前から選手たちのテンションがいつもより高い気はしましたね」(柳)

カンセキスタジアムとちぎでの初陣。残り2試合をホームで連戦できる栃木。勝点5511位で迎えたこの千葉戦は「準決勝」と位置付けられた。

「ここで負けたらファイナル(決勝)の磐田戦はないぞ」

指揮官は真新しいロッカールームで選手たちに発破をかけた。その気迫が立ち上がりから選手たちの球際の激しさに乗り移った。

 

栃木は矢野、千葉は川又というターゲットがいる戦いは、セカンドボールをいかに奪えるかが大きなポイントだった。中盤での球際の攻防は時間の経過とともに熾烈を極めていく。ピッチにうずくまる選手が続発した。

その中で、この日の栃木には奪ったボールを大事にしようとする意識が見えた。

「この試合はボールを持てるかもしれない」

田坂監督は戦前の読みから、出場停止の佐藤に代えて明本をボランチに配置。序盤から明本は、チームでボールを奪ったときには最終ラインに落ちてボールを受けながら、縦にフィードを入れたり、間に縦パスを入れたり、ゲームを作ろうとする姿勢がうかがえた。

守備のスムースな連携やポジショニングはこれからといった印象だが、13分過ぎにバイタルエリアに侵入された危険なシーンでは瞬時にプレスバックして強引に奪い取ると、そのままカウンターへ。どこにいようと明本の際の強さは目を見張るものがある。

 

しり上がりに良くなっていく様子は興味深かった。ときに明本がエスクデロへと通す縦パスは攻撃において違いを作れていた。が、26分、激しい球際の攻防から負傷したエスクデロが離脱すると、西谷が投入されたことで、明本はいつもの前線へとポジションを上げた。

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