現役GMが教えるJクラブ経営のリアルな見方(J論)

「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

2021シーズンは厳しい幕開け。攻撃の連携改善は急務。【J2開幕節 ファジアーノ岡山戦レビュー】(21.3.1)

2021明治安田生命J2リーグ開幕節

2021年2月28日14時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 4,616

栃木SC 0-2 ファジアーノ岡山

(前半0-1、後半0-1)
得点者:23分 宮崎幾笑(岡山)、75分 喜山康平(岡山)

天候 晴れ
気温 9.3
湿度 30%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 5 柳 育崇
DF 4 髙杉 亮太
DF 26 面矢 行斗
MF 17 山本 廉
MF 25 佐藤 祥
MF 37 上田 康太
MF 10 森 俊貴
FW 16 菊池 大介
FW 13 松岡 瑠夢
FW 32 畑 潤基 
控え

控えメンバー
GK 15 岡 大生
DF 22 小野寺 健也
MF 11 ジュニーニョ
MF 14 西谷 優希
MF 23 植田 啓太
FW 19 大島 康樹
FW 29 矢野 貴章

62分 松岡→ジュニーニョ
62分 畑→矢野
76分 山本→大島
76分 佐藤→西谷
80分 菊池→小野寺

2021シーズンも栃木フットボールマガジンはサポートカンパニーとして協賛しております。

 

▼ロングボール多めの90分間

蹴り合いになるゲームは昨季からこんな感じだ。福岡戦の2試合しかり、後期の岡山戦の前半しかり。

岡山は今回、蹴り合い上等のサッカーを90分間貫いてきた。

開幕戦という堅くなる舞台。彼らにとってはアウェイゲームであり、昨季は痛恨の逆転負けを喫した相手である。それらを考慮し、現実を選択したのだと思う。栃木のロングボール攻勢に対し、岡山は前半から自陣に構えてセカンドボール回収に目を光らせ、ときにペナルティエリア内に10人が入って守った。後半の最後は5バックでリトリートで守るという徹底ぶりだった。

 

「栃木とのバトルを避けてはいけない。しかし、そればっかりではいけない。フットボールをしなければいけないから」

 

昨季の栃木と対峙したときの敵将が言わんとすることはだいたいそんな感じだった。「アスリート性、フィジカル性だけでフットボールを終わらせない」という矜持を持った相手は、どこかでボールを繋いで能動的に攻め込んで来ようとする。

しかし、それが栃木のストーミングの餌食になる。”下手な繋ぎ”こそ栃木が付け入る隙だ。高い位置でボールを引っ掛けてショートカウンター。

対戦相手の彼らは「サッカーの質を高めるためには繋ぐリスクを恐れていてはいけない」と勇敢なプレーをしかけてくる。栃木からすれば、さあこいこい、である。盾でぶん殴ってやる! である。

 

しかし、今回の岡山はそうではなかった。彼らは現実を選んだ。彼らには現実的なスタイルを選択するだけの大義名分がある。

 

双方ロングボールの応酬だった。岡山は最終ラインが拾ったボールをノージャッジで蹴り出してきた。栃木が入れるロングボールにもまずCB勢が弾き、落ちたセカンドボールをボランチ勢がフリック気味に前へとダイレクトで蹴り出した。栃木が狙うセカンドボール奪取からの速い攻めをさせまいという意志表示だった。

 

「前半から自分たち主導の守備ができないというか、相手が簡単に前へ蹴ってくるところがあったので、守備でリズムを取ることがなかなかできなかった」

 

菊池が言うように、栃木が強みとするハイプレスからボール奪取、あるいは、セカンドボール奪取からの速い攻め、といった守備→攻撃のリズムを作れればよかったが、なかなかできなかった。こればっかり相手の出方があるので仕方がない。

前線の畑も松岡も相手ボールを追っていたが、彼らのプレスが届く前に岡山がシンプルに蹴り出していたのでどうにもしようがなかった。

となると、蹴り合い合戦の焦点は、当然、セカンドボールの拾い合いとなるが、五分五分だったと感じる。

 

明確な差があったとすれば、岡山にはトップに齊藤和樹というターゲットがいて、栃木にはいなかったことだ。

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