「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

3連勝の栃木に矢野貴章あり。衰えぬ向上心の先。【Column】(21.4.9)

▼走る栃木の牽引者、矢野貴章

前節山口戦の試合終了直後、DAZNのカメラが、ピッチに膝をつき、肩で息をしながら、勝ったことに少しの安堵もうかがえる矢野貴章の姿を捉えていた。

「後半はたくさん攻められた中で、みんなでよく耐えたなと」

全員で掴み取った3連勝。その中心には間違いなく矢野がいた。

90分間走り続ける。ロングボールに競り続ける。最後まで前線でプレスを掛け続ける――。

昨季の最終盤、しり上がりに調子を上げていき、フィナーレを迎えた自身のハイパフォーマンスに追いつかんとする勢いだ。

「開幕節の頃に比べればさらに良くなってきています。それは僕だけではなく、みんなに同じことが言えると思います」

今月5日には37歳の誕生日を迎えたが、年齢的な衰えはどこ吹く風だ。矢野は「自分はもっとできる」という領域で戦っている。

「栃木に来るまでは『自分はもっとできるはず』と思っていましたが、近年は栃木ほどの激しいトレーニングもしてこなかったので、こうやってしっかりトレーニングをすることでパフォーマンスが向上できるのだと改めて感じられたことはすごく大きいし、自信にもなっています。さらに何かできるのではないかと思わせてもらっています」

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