「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

執念の守備で拾った勝点1。ハイプレスが機能しないときの勝ち筋とは?【J2第13節 水戸ホーリーホック戦レビュー】(21.5.10)

2021明治安田生命J2リーグ第13節

2021年5月9日14時キックオフ ケーズデンキスタジアム

入場者数 3,064人

水戸ホーリーホック 1-1 栃木SC

(前半0-1、後半1-0)
得点者:16分 森俊貴(栃木)、55分 オウンゴール(水戸)

天候 晴れのち雨
気温 23.8
湿度 35%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 19 大島 康樹
DF 5 柳 育崇
DF 22 小野寺 健也
DF 26 面矢 行斗
MF 13 松岡 瑠夢
MF 25 佐藤 祥
MF 14 西谷 優希
MF 10 森 俊貴
FW 29 矢野 貴章
FW 11 ジュニーニョ
控えメンバー
GK 15 岡 大生
DF 4 髙杉 亮太
MF 16 菊池 大介
MF 17 山本 廉
MF 41 松本 凪生
FW 32 畑 潤基
FW 34 有馬 幸太郎

72分 矢野→有馬
72分 ジュニーニョ→山本
78分 松岡→菊池
78分 西谷→松本
87分 大島→畑

 

▼執念の勝点1、THIS IS THE FOOTBALL

11節磐田戦、12節北九州戦は内容がありながら、ゴール前の”際”の攻防にエラーが生じて2連敗。

今節はメンバー変更などで締め直し、攻撃的な見せ場は乏しかったものの、ゴール前の”際”の集中力は半端なく、勝点1を獲得。

 

これぞ”THIS IS THE FOOTBALL”

 

直近2試合で勝点を取りこぼしていた栃木にとって”拾った勝点1”は意味がある。もしダービーで逆転負けでもしようものならば精神的な重さがのしかかるところだったが、ギリギリで踏みとどまった。

この勝点1を生かすも殺すも次節アウェイ琉球戦次第だろう。

 

16分に大島康樹のクロスに森俊貴がボレーで合わせて先制に成功したが、その後は苦しい展開が続いた。

栃木の守備の生命線はハイプレスだ。ダメなときの二段構えのゴール前の堅守もまた栃木らしさと言えるが、今節はその両翼の一つであるハイプレスがハマらなかった。

要因は様々ある。

「連戦で、気温も高く、重かった。プレッシャーに行っているけれど圧がかからなかった」(田坂監督)

3連戦の最終戦のスタメンのボランチには6試合ぶりに西谷優希と佐藤祥が揃い踏みしたが、それ以外は変わらず。出ずっぱりの2トップである矢野とジュニーニョも奮闘していたが、さすがに時間の経過とともにスイッチの入れ方は鈍くなっていた。

矢野が交代したのが72分のこと。「さすがに引っ張り過ぎでは?」。この質問に指揮官は「色々な要因がある。外から見ているのと、中で感じていることは違う」と返した。

矢野とジュニーニョの2トップ以外に信を置ける選手がまだ出てきていないとの判断だろう。

矢野とジュニーニョの攻守における関係性は距離感や呼吸が抜群だ。疲労していてなお、一発で背後を取ってチャンス化できるストロングも見える。替えが効かない2トップになっているのはチームのストロングであり、選手層という意味での課題だ。

 

連戦ながら替えが効かない栃木側の台所事情と、水戸のうまさであり「徹底」も、栃木のハイプレスが機能しない要因だった。

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