“サイドバック大島康樹”が生きる道。「頭を使って対応して初めて普通のサイドバックと同等くらい」【Column】(21.5.12)
▼頭を使って初めて同等
このフィジカル性の強い栃木のサッカーの中で、大島康樹がフィジカルではなく頭を使いながらサイドバックとして対応できていることは改めて面白いなあと思う。
最近のプレーを見ていても球際に飛び込んでいくときの、そもそものポジション取りがいいし、磨きをかけているアプローチのスピードからボールを絡め取るシーンが毎試合必ずある。
同じサイドバックでも面矢行斗のようにフィジカルをゴリ押しすることなく(というかゴリ押せない)、立ち位置とタイミングで勝負できている。
「自分は身体能力が高くないし、頭を使って対応して初めて普通のサイドバックと同等くらいだと思っているんです。それをやらないと試合に出られないのでね」
大島がサイドバックにコンバートされたのは昨季の途中からだった。僕がJ’sGoalの記事でそのことを紹介すると、大島がかつて所属した柏レイソル方面からも驚きの声が多数挙がった。「え? あの康樹がサイドバック?」。ある日のトレーニングマッチで初めて試されたときにパフォーマンスに安定感があったらしく、そのプレーぶりを見たチーム関係者から「大発見だよ」とやや興奮気味に聞かされたときには、へえー、と驚くほかなかった。
だが、昨季の大島はチームにとって紛れもなく貴重な存在だった。黒﨑隼人や瀬川和樹、溝渕雄志らをバックアップしつつ、右サイドのみならず41節千葉戦では左サイドバックのスタメンを担ってウノゼロの勝利に貢献した。今季の今に至るまで”サイドバック大島”は失格の烙印を押されることがないどころか、むしろ評価を上げつつある。
大島をサイドバックとして起用し続ける田坂監督に改めて評価を聞くとこう返ってきた。
(残り 1597文字/全文: 2303文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ