「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

攻め手を欠く痛恨ドロー。不足したものは?【J2第16節 ザスパクサツ群馬戦レビュー】(21.5.30)

2021明治安田生命J2リーグ第16節

2021年5月29日14時キックオフ 正田醬油スタジアム

入場者数 1,935人

ザスパクサツ群馬 0-0 栃木SC

(前半0-0、後半0-0)
得点者:

天候 晴れ
気温 28.6℃
湿度 39%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 19 大島 康樹
DF 5 柳 育崇
DF 20 三國 ケネディエブス
MF 17 山本 廉
MF 25 佐藤 祥
MF 14 西谷 優希
MF 10 森 俊貴
FW 11 ジュニーニョ
FW 34 有馬 幸太郎
FW 16 菊池 大介
控えメンバー
GK 15 岡 大生
DF 22 小野寺 健也
DF 26 面矢 行斗
MF 13 松岡 瑠夢
MF 37 上田 康太
FW 29 矢野 貴章
FW 32 畑 潤基

46分 ジュニーニョ→矢野
71分 山本→松岡
71分 有馬→畑
87分 菊池→面矢

 

▼互いに攻撃の精度を欠く

「相手の良さを消す戦いはできたと思う」

試合後、敵将の奥野監督が言及したとおりだった。

栃木の良さは前向きに推進力を発揮することだが、群馬がそうはさせなかった。クリア気味のボールも含め、栃木のサイドバックの背後へのボールを徹底し、栃木に前向きのリズムを作らせなかった。

 

ただ、これはもう想定内。栃木対策の常套手段だ。

この群馬の出方に対し、サイドバックの背後を取られたときに、ボランチやCBが相手を受け渡す連携面の課題は改善されていたし、クロス対応も柳や三國、GK川田も含めて堅調だった。

帰陣が速い栃木に対しては、どのチームも帰陣方向の逆のマイナス方向にクロスを入れるのが栃木対策のパターンだが、これにも足を動かし、粘り強く身体を飛び込ませるなどできていた。

相手の徹底に対して、最後の守備対応でやられずに2試合連続で無失点で終えられたことは良しとしないといけないと思う。これが最低限発揮できないと”最低限の勝点1”の積み上げすらも難しくなる。

 

ただし、このスコアレスドローは、判定ならば三者とも群馬に軍配を上げる。同じスコアレスドローでもシュート数では相手を圧倒するとか、三者とも栃木に軍配を上げる内容に引き上げないと希望が見えてこない。

攻撃面の内容が乏しかった理由について、試合後に監督や選手が「暑さ」を挙げていたのだが、影響はあっただろうが、一部で戦術理解不足という側面もあったと感じる。なぜなら多くの選手たちがよく走れていたし、前向きの矢印を出そうとするなかでうまくいかなかった試合、だと思えるからだ。

 

不足していたものは、大きなところで二つあると見る。

一つは、「FWのプレス強度」もう一つは「奪ったあとのパスの精度」だ。

 

(残り 3924文字/全文: 5029文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ