「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

栃木SCのJ初代監督の凱旋試合。4連勝長崎を栃木スタイルで食い止めよ。【J2第19節 V・ファーレン長崎戦 プレビュー】(21.6.18)

前節はアウェイで大宮に1対1。チャンスは作ったが勝ち切れず、これで3試合連続ドローとなった。4勝8分6敗で勝点20、順位は15位。今節はホームに6位V・ファーレン長崎を迎える。相手の指揮官はかつて栃木を4年半率いたあの松田浩監督だ。松田監督に率いられる好調長崎は現在4連勝中。強敵に違いないが栃木はチーム一丸で闘える準備はある。何としてもドローの足踏みを食い止めたい一戦だ。19節栃木対長崎はカンセキスタジアムとちぎにて18時にキックオフを迎える。

 

 

▼栃木SCJ初代監督、松田浩率いる好調長崎

さあ、松田浩凱旋試合である。

最近のファン・サポーターは知らない可能性もあるので改めて書いておきたいが、松田浩監督は栃木が09年にJ2に参入したときの初代監督だ。09年から13年秋まで栃木で4年半指揮を執った。11年にはリカルド・ロボ、パウリーニョ、水沼宏太、大久保裕樹、渡部博文らを擁し、当時J2に降格してきたFC東京と9月まで首位攻防を演じた過去がある。今思えば、J2に参入して3年目の新参チームがJ1級のFC東京と秋頃までよく闘っていた。熾烈な昇格争いだった。当時はチーム、サポーター、メディアなど関係する者たちが本気でJ1に昇格できると思っていたものだ。9月のFC東京との二度目の対戦で絶対的存在だったパウリーニョが相手に削られて長期離脱し、その後失速してしまうのだが、チームのこれまでの歴史の中でもっともJ1昇格に近づいた時期の指揮官として松田監督は君臨した(ちなみに北関東ダービーでの唯一であり初となる優勝もこの2011年)。

4-4-2のゾーンディフェンスを基軸にした”松田サッカー”という明確なスタイルがあり、栃木に脈々と流れる守備はきっちりやるものだというDNAがこの時代に築かれたのは間違いないだろう。

松田監督は13年秋に栃木の監督を退任。以降、日本サッカー協会でS級資格を取得する指導者のインストラクターを担ったり、協会スタッフとしてW杯などの大会分析班の仕事などをこなしていた。その後、18年に地元のクラブであるV・ファーレン長崎の育成部に入っていたが、今季、シーズンの途中にトップチームの指揮官に就任。Jチームの監督に就任するのは栃木を退任して以降、初めてで約8年ぶり。栃木の地に他チームの指揮官として立つのも初めてとなる。

僕自身、栃木退任後の松田さんとも仕事で色々とお世話になったし、もう一度現場に立ってほしいと願っていた方なので、こうして対戦できることは感慨深い。就任したときは驚きと喜びがあり、ずっと対戦を楽しみにしていたが、まさか負けなしで栃木に来てしまうとは二度驚きである。

 

その松田長崎が非常に堅調で好調だ。松田監督が就任して以降負けなしの51分、うち4試合が10の勝利、現在4連勝中ときている。

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