「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

奪ったボールの1本目の精度は改善も、課題は攻撃の2手目、3手目の精度でありバリエーション。【J2第19節V・ファーレン長崎戦レビュー】(21.6.20)

2021明治安田生命J2リーグ第19節

2021年6月19日18時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 3,797人

栃木SC 0-2 V・ファーレン長崎

(前半0-1、後半0-1)
得点者:30分 都倉賢(長崎)、73分 オウンゴール

天候 雨
気温 19.6℃
湿度 90%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 19 大島 康樹
DF 5 柳 育崇
DF 20 三國 ケネディエブス
MF 16 菊池 大介
MF 14 西谷 優希
MF 25 佐藤 祥
MF 10 森 俊貴
FW 23 植田 啓太
FW 29 矢野 貴章
FW 11 ジュニーニョ
控えメンバー
GK 15 岡 大生
DF 22 小野寺 健也
DF 26 面矢 行斗
MF 13 松岡 瑠夢
MF 2 吉田 将也
MF 37 上田 康太
MF 41 松本 凪生

46分 植田→松岡
62分 ジュニーニョ→面矢
62分 大島→吉田
76分 西谷→松本
83分 菊池→小野寺

 

▼スーパーな一発に沈む

長崎の松田浩監督が試合後、口を開くなり「ホッとしました」と安堵の表情を見せたとき、ああプレッシャーはあったんだなあと思った。

J2屈指のタレント集団を率いて乗り込んだ古巣戦だった。

「非常に感慨深いものがあり、センチメンタルな部分もあったが、なるべくそういうことを頭の中から排除して戦った90分間だった」

松田監督には「恥ずかしい試合はできない」との思いもあったらしい。その思いの強さゆえか、長崎にとっては完璧に近いゲーム内容だったように思う。

個の質の高さを見せつけるスーパーなクロスからの先制ゴールと、リスタートからの追加点。松田サッカーでいう理想的スコア、2対0でのゲームクロージングだった。長崎はこれで5試合連続零封による初の5連勝。堂々とJ1昇格争いに絡んでいくことだろう。

点が獲れるクオリティがあり、守ろうとして守れるのだから、松田長崎は強い。栃木はやるべきことはやった試合なので引きずらずに次の東京ヴェルディ戦に切り替えたほうがよろしいかと思う。

 

前半の初めは栃木のハイプレスがハマり、長崎のビルドアップの前進を阻むことに成功していた。栃木のSBが基本的に高い位置を取らず、相手CBと相手SBを栃木のSHが見るプレスの手法を取っていたため、長崎は栃木の背後にスペースを見つけられずにビルドアップがどん詰まりになっていた。

この流れから栃木が圧力をかけ続け、8分には前で奪った流れからジュニーニョがミドルを強振、相手GKにセーブされたが非常に惜しいシーンだった。

15分過ぎ、長崎ベンチから松田監督が前に出てきて、カイオ・セザールとウェリントン・ハットに何らかの指示を伝えている。ポルトガル語の通訳は不要であった。

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