「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

粘りに粘るも勝負所のクオリティに屈す。【天皇杯3回戦 鹿島アントラーズ戦レビュー】(21.7.8)

第101回全日本サッカー選手権大会3回戦

2021年7月7日19時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 4,442人

鹿島アントラーズ 3-0 栃木SC

(前半0-0、後半3-0)
得点者:80分 エヴェラウド(鹿島)、90分 エヴェラウド(鹿島)、90+2分 アルトゥール・カイキ(鹿島)

天候 曇り
気温 25.3℃
湿度 72%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 2 吉田 将也
DF 5 柳 育崇
DF 22 小野寺 健也
MF 14 西谷 優希
MF 19 大島 康樹
MF 23 植田 啓太
MF 37 上田 康太
FW 11 ジュニーニョ
FW 13 松岡 瑠夢
FW 38 小堀 空
控えメンバー
GK 15 岡 大生
DF 26 面矢 行斗
MF 10 森 俊貴
MF 16 菊池 大介
MF 25 佐藤 祥
FW 29 矢野 貴章
FW 32 畑 潤基

58分 小堀→矢野
58分 植田→森
58分 吉田→面矢
83分 西谷→佐藤
83分 ジュニーニョ→菊池

 

▼粘りに粘ったが終盤に力尽きる

序盤から球際やセカンドバトルで如何ともしがたい差が見えていた。

「相手は自然にやっていると思いますが、僕たちよりもボールへの反応が速いし、一歩目の出足も速かった。そこは相手との差を感じた部分です」(西谷)

ハードワーク、球際、攻守の切り替えの速さ。互いがチームコンセプトの中心軸に置き、もっとも大事にする部分が肝となる戦い。だが、4-4-1-1同士、マッチアップが頻発する戦いで「サッカーの本質の部分で相手が上回っていた」(田坂監督)。

栃木は3分にハイプレスからボールを絡め取り、松岡瑠夢がフィニッシュを放ったが、このシーン以降は、鹿島にボールを支配され、防戦一方の展開になっていく。

それでも栃木は粘りに粘った。

鹿島がサイドチェンジを交えながら栃木の守備ブロックに穴ができるのを待っていたが、素早いスライドを繰り返して穴を封鎖していく。前半のカギを握っていたのは鹿島の左サイドだ。左SB杉岡大暉がオープンスペースで受けてから仕掛ける11に対し、右SB吉田将也が粘り強く対応して遅らせ、味方の守備のサポートを待つ守りができていた。

相手ボランチのディエゴ・ピトゥカが中盤の底から意表を突くタイミングで背後へ鋭いボールを入れてきても、レオ・シルバが強引にペナルティエリア内にドリブルで分け入っても、栃木の選手たちは堅くゴール前を守る集中を切らさなかった。

 

前半はノーチャンスの展開を強いられたものの、58分に矢野貴章、森俊貴、面矢行斗を投入し、3枚替えでいざ勝負――というサインをベンチが放つ。

これで前へのプレッシャーの圧力が増し、ワンチャンあるぞ、の雰囲気が漂った。相手は栃木の堅い守備ブロックをこじ開けるには至らず、攻撃に停滞ムードが漂い始めていた。栃木は実際にロングスロー、CK獲得と、前半にはなかったチャンスを掴みつつあった。

(残り 2008文字/全文: 3218文字)

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