いま大事なのは内容ではなく結果。3失点惨敗を真摯に受け止め、もう一度締め直しを。【J2第32節 大宮アルディージャ戦 レビュー】(21.10.4)
2021明治安田生命J2リーグ第32節
2021年10月3日14時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ
入場者数 4,861人
栃木SC 1-3 大宮アルディージャ
(前半0-1、後半1-2)
得点者:4分 西村慧祐(大宮)、51分 菊地俊介(大宮)、57分 谷内田哲平(栃木)、83分 河本裕之(大宮)
天候 晴れ
気温 26.2℃
湿度 50%
ピッチ 良
<スターティングメンバー>
GK 50 オビ パウエル オビンナ
DF 33 黒﨑 隼人
DF 5 柳 育崇
DF 36 乾 大知
MF 49 溝渕 雄志
MF 14 西谷 優希
MF 25 佐藤 祥
MF 44 谷内田 哲平
FW 32 畑 潤基
FW 31 豊田 陽平
FW 34 有馬 幸太郎
控えメンバー
GK 1 川田 修平
DF 20 三國 ケネディエブス
MF 10 森 俊貴
MF 23 植田 啓太
MF 41 松本 凪生
FW 19 大島 康樹
FW 29 矢野 貴章
▼内容ではなく3失点を重く受け止めたい
前半の入りで失点し、後半の入りで失点し、試合終盤の攻め込んでいる時間帯に与えたCKから失点し、3失点惨敗である。
相手の前進を許さないプレス連動やサイド攻略など準備してきたことはほぼ完璧にできていたのだろう。「内容はすごくやれていたし、やられる感じもなかった」(田坂監督)のだろうが、そこだけ切り取っても仕方がない。
結果は今季最多となる3失点の惨敗である。残留争いの直接対決で、最低でも引き分けないといけない試合で3発惨敗である。この事実を真摯に受け止めたい。
前半と後半の立ち上がりや終わりの5分間は、これまでここに何度も書いているが、クリティカルフェイズと言い、最も集中力を要する時間帯だ。集中し、セーフティにプレーするのが基本とされる時間帯だが、今節はアラートさを欠いた。
3連勝した頃は不格好でも何とか抑えていた。内容は大宮戦よりも全然良くなかったが、それでも要所のピンチを抑えることで何とか勝ちに繋げていた。
ところが、直近2試合は前半のうちに先にやられてしまっている。それでも前節京都戦(●0-2)は相手のクオリティの高さから2発を食らったという整理の仕方もできたが、今節は違った。
4分に先制点を許してしまったシーンは軽率なミス絡みだった。自分たちのCKのセカンド攻撃。ボールを持った黒﨑がシンプルに中に入れずにニアで繋ごうとしたグラウンダーのパスをカットされ、カウンターを発動されると、相手が入れてきた浮き球のフィードの処理を西谷が誤り、相手に決められた。ミスが二度続けば失点に繋がる。
現状のチームを力強く牽引し、この失点を取り戻そうとその後は強烈に奮闘していた2人が失点に絡んでしまったのは何ともやるせない。が、これがサッカーだ。
2人とも”ボールを大事にしよう”とした節が見える。ただ単にラフにプレーするのではなく、ここ最近のチームがそうしている基準に照らし合わせた判断だったように映る。が、それが裏目に出た恰好だ。
結果論に過ぎないのだが、やはりクリティカルフェイズである以上、シンプルにセーフティにプレーすべき時間帯だった。サッカーの勝ち負けというのは、内容問わず、そういう細部で決まってしまう怖いスポーツなのだから。
栃木は前半の良い内容を受けて折り返した後半も前から圧力を掛けて前掛かりになっていたが、51分に一発で背後を取られてカウンターからやられた。
83分には相手に与えたこの試合1本目のCKからやられてしまったのだが、これも自分たちが攻勢に出ているときに与えたCKからだった。
攻撃に意識が向いている”いい気分”のときに与えてしまったFKやCKは非常に危険――というのも古今東西で共有されるサッカーの定説だ。相手の1本目のCKでやられてしまった事実も淡白に映る。このシーンは流れからして危険だと認識して対応できていた選手は何人いただろうか。
栃木はこの試合の内容を取った。一方の大宮は結果を取った。大宮は、サッカーの真理と言うべき要所を押さえ、栃木は要所を押さえきれずに三度隙を見せた。
その間に横たわっている内容は確かに良かったと思うが、やはり、そこだけ切り取っても意味がない。
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