「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

年末のご挨拶【お知らせ】(21.12.31)

 

こんばんは、鈴木です。

西谷優希、年内滑り込み更新でした。大きな更新ですね。

さて、今年の最後は私事を少々。親バカかもしれませんが。

今年は年中になったわが子がサッカースクールに加入して、お友だちと初めて一緒になってボールを蹴り始めた1年でした。

といっても、最初はスクールに預けたまま放ったらかしにしていたんですね。息子も右も左もわからないまま、サッカーが何なのかもわかっていませんでした。

ゲーム形式でもどっちのゴールに向かっていけばいいのかもまったくわからない。コーチが「ゴールはあっちだよ」と優しく教えてもなかなか理解できない。挙げ句、コーチたちに「おならぷー」とか連発してボールも見ていないありさまでしたが、コーチたちも小さな子と接するのは慣れたもんで一緒に楽しそうにじゃれ合ってくれていました。

グラウンドには年中さんと年長さんが入り混じっていたのですが、年長さんはボールをしっかりと蹴れるし、どっちのゴールに向かえばいいのか、しっかり理解して一生懸命に動いていました。でもうちの子は、3カ月、4カ月と時間が過ぎてもあんまり変わらない。ちょっとボールを蹴る力が付いてきたかな、くらいの変化でした。

夏過ぎに緊急事態宣言が出されたときに親が場内に入って近くで観戦することが禁止になってしまったんですね。すると、近くで親が見ていない不安感からか「もうサッカーをやりたくない」と言い出したんです。

一時的なものだろうなあと思っていたし、緊急事態宣言が解かれて近くで観戦してあげられるようになると、また元気にボールを追うようになっていったんですけど、ある日、

「そろそろ何かしてあげたら」

嫁さんに言われて、さすがに何かやらないとまずいかなあと思い始めたんですね。それで仕事の合間を見つけては、家の中だったり近くの公園だったりで一緒にボールを蹴り始めたんです。

そのうちボールを蹴るだけでは面白くないので、持ち運び可能なミニゴールを買って1対1を始めました。プロの練習でもゴールの有る無しはモチベーション的に結構大事ですからね。

そうしたら、きゃっきゃっと楽しくやってくれるんです。あとは僕がひたすら負けてあげる。負けまくって、うわー、やられたー、とか大げさに。

「今日は10点も取ったんだあ」

嬉しそうに話している姿をみると、これが正解かどうかなんてわからないけれど、とりあえず楽しそうにやってくれているからいいかなあ、と思っていました。

で、スクールに通い始めて半年が過ぎたころでした。

なんと、劇的に変わったんですよ。本当に、ある日を境に劇的に。

ボールをしっかりトラップするわ、そのままドリブルですすすと持ち運ぶわ、ドリブルしながらゴール方向へと身体をひねりながらシュートするわ、「えー、こんなに変わるのー」という衝撃が走るくらいの成長が一気にやってきたんです。

スクールが用意してくれるボール扱いのメニューとミニゲームをやってきて、僕は僕でただ一緒に1対1で遊んで負けまくってあげただけなのに、なんでトラップができるの? なんでドリブルができるの? なんで身体をひねりながらシュートが打てるの? なんで? なんで?

結構な衝撃でした。

 

「選手はいつ伸びるかわからないんだよ。だから面白いんだ」

色々な指導者が言っているし、横さんも言っていたし、田坂さんも言っていましたが、なるほどなあ、こういうことなのかあ、と。

こういうことがあるから指導の仕事は面白いんだろうな、だから選手の成長を信じられるんだろうな、と思ったわけです。

2019年のシーズン終盤、当時、V・ファーレン長崎の社長を務めていた髙田明さんが社長退任の挨拶をされたときに、こんな話をされていたことを覚えています。

「夢を実現するために私たちは100段ある階段を登ろうとしているんです。でも、100段の階段を登るのに100年もかかっていたら命が持ちませんよね? でも大丈夫なんです。1年、2年、3年と地道に努力を続けていると、一気に10段を登れるときがあるんです。だから大丈夫なんです」

なるほどなあ、と。

来季の栃木SCは、時崎悠監督はじめ新たなコーチングスタッフ陣の下、効果的なトレーニングを続けていくことでしょう。で、思うんです。この1年、2年と栃木は結構地道にやってきたよなあと。何だったらその前から地道だよなあ。愚直な選手たちが一丸になって、来季もスタイル継続で地道に続けていけるんだよなあ。となると、どこかで一気に10段を登れることがあってもおかしくないんじゃないかなあと。「えー、こんなに変わるのー」という衝撃、来たら面白いだろうなあと。

 

今年も栃木フットボールマガジンをご購読いただき、ありがとうございました。来季もほぼデイリーマガジンとしてできるだけ深い情報をお届けできるように心掛けてまいります。

今年中に書き切れなかった2021年のシーズンレビューだけは年をまたいで持ち越します。ごめんなさい。

本日をもって仕事納めとし、栃木フットボールマガジンの更新も元日から1月5日までお休みとさせていただきます。

次回の更新は1月6日(木)になります。すぐにトレーニングが始動し、2022シーズンを戦う新チームのレポートをお届けすることになると思います。

今年も大変お世話になりました。

それでは皆さん、良いお年を。

鈴木康浩 拝

 

ヒーローは一日にして成らず。

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