「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

とどのつまりは、先に決め切れるかどうか。【J2第19節 ベガルタ仙台戦 レビュー】(22.5.30)

2022明治安田生命J2リーグ第19節

2022年5月29日14時キックオフ ユアテックスタジアム仙台

入場者数 9,273人

ベガルタ仙台 2-1 栃木SC

(前半0-0、後半2-1)

得点者:56分 若狭大志(仙台)、85分 矢野貴章(栃木)、88分 皆川佑介(仙台)

天候 晴
気温 28.2℃
湿度 36
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 35 鈴木 海音
DF 16 カルロス グティエレス
DF 15 大谷 尚輝
DF 30 福森 健太
MF 3 黒﨑 隼人
MF 14 谷内田 哲平
MF 24 神戸 康輔
MF 23 植田 啓太
FW 9 瀬沼 優司
FW 29 矢野 貴章
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
MF 10 森 俊貴
MF 18 大森 渚生
MF 7 西谷 優希
FW 21 トカチ
FW 27 五十嵐 理人
FW 38 小堀 空

65分 植田→森
65分 瀬沼→トカチ
79分 黒﨑→五十嵐
90+1分 大谷→西谷
90+1分 神戸→小堀

 

眠ったままの首位仙台を圧倒

眠っていた仙台に対して、先制できていれば――

先制できずに先に失点しても、粘り強く戦いながら85分に同点に追いつけたのだから、そのまま最悪でも引き分けにできていれば――

最低限、勝点1は獲らないといけないゲームだった。アウェイでの首位相手とはいえ、展開的に痛恨の敗戦だ。

決め切る力だとか、勝負の際の詰めの甘さだとか、その辺りはすでに監督や選手のコメントに出ているので割愛するが、たとえば、別の見方をすれば、とどのつまりは、仙台には遠藤康がいて、栃木には遠藤がいないということだった。

前半は右サイドにいた遠藤が、後半は4-2-3-1のトップ下となり、フリーマンのごとく左右のサイドでボールに顔を出して時間を作り、その間に周りが立ち位置のズレを作り出し、栃木のプレスやスライドから逃れ、そうして流れを変えた。

勝負所の88分にはあの質の高いCKのキックでゲームをモノにした。あの厳しい時間帯に、あの嫌らしいところに入れられるボールの質がすべてだった。遠藤にはラストの質があり、15年も在籍した鹿島OBとして当然、勝負の際の重要性は心得ていたに違いない。

かつてJ2大宮に在籍していたときの家長のようだった。一人だけプレーしている時間と空間が違うのだろう。そして、前半から仙台があの並びだったらどうだったんだろうと。

 

前半の仙台は4-4-2だったが、2トップが背後へ抜けるアクションも少なく、彼らの動きに対してパスもなかなか合わなかった。だから足下へのパスが増え、栃木としては前向きに潰せるシーンを多数作り出せていた。

敵将の原崎監督が「栃木さんのプレスの掛け方が予想とは違った」と振り返っている。

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