「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

ついにボランチも熾烈な競争下に。それでも西谷と佐藤は「今のうちにどれだけ成長し、それをチームに還元できるか」と前だけを見る。【Column】(22.6.9)

不動だったボランチのポジションにも若手が台頭し、レギュラー争いが熾烈を極めている。激しいポジション争いはシーズンの最後まで続きそうである。

 

▼ボランチに若手の谷内田や神戸が台頭

今季のメンバーで不動の存在と言えるのは、グティエレスと鈴木海音くらいだろうか。今まさに絶好調の矢野もシーズン当初はベンチスタートだった。

ボランチの西谷と佐藤は昨季来、ボランチにおいて鉄板といえるコンビを形成してきた。それは今季も変わらないと見られたが、シーズン開幕当初から時崎監督が「競争」というフレーズを掲げ、ボランチの人選も聖域ではないという見方を示してきた。

そして、それはあっという間の出来事だった。

17節徳島戦(〇1-0)の57分、ピッチに途中投入された大卒ルーキー神戸は、まさに新星のごとくピッチを駆け回り、ゴール前に顔を出すアグレッシブさから決定機を演出し、チームの勝利に貢献してみせた。そして次の町田戦(〇1-0)ではスタメンを奪取した。そうしてボランチのスタメンは、谷内田と神戸の若きコンビへと入れ替わった。

彼らもここまでに乗り越えて来たものがあった。攻撃性に秀でながらも、タフさといったプレー強度が十分ではないと見られたうちはスタメンで起用されなかった。谷内田もプレー強度がくっついてこないうちは、シャドーでも不動の存在ではなかったし、ましてや、よりタフな守備局面と対峙しなければいけないボランチで起用されることなどなかっただろう。

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