津田大介のメディアの現場

vol36_メディア/イベントプレイバック

メディア/イベントプレイバック


僕が出演した番組やトークイベントなどで、内容が面白かったものをテキストで読みやすく再編集してお届けします。原発・放射線の問題や政治全般、著作権、音楽の話までテーマは多岐にわたる予定です。〔毎号配信〕

2012年6月12日、弁護士兼フリージャーナリストの日隅一雄さんが胆のうがんで逝去されました。元産経新聞の記者で、のちに弁護士に転身したという異色の経歴を持つ日隅さんは、福島第一原発事故後、政府・東電などの記者会見に出席し、情報を引き出してきた貴重な存在です。弁護士として活動する傍ら、『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか』(現代人文社)、『審議会革命』(現代書館)といった、メディアや政策関連の書籍を執筆・翻訳されてきました。特に後者は僕にとって重要な本で、審議会ウォッチを中心に構想を考えている新しい政治メディアに大きなヒントを与えてくれるものでした。

いまだに福島第一原発事故が起きたのか明らかになっていないにも関わらず、政府・東京電力による情報公開は十分に行われていません。記者会見に足繁く通い、政府と東電の発表する事実の矛盾を情報が出てくるまで指摘し続け、事故の検証を続けてきた日隅さん。その模様は『検証 福島原発事故・記者会見—東電・政府は何を隠したのか』(岩波書店)に結実しています。フリージャーナリストとして、震災後、大きな役割を果たしてきた日隅さん。今はただ、故人のご功績を偲び、ご冥福を祈るのみです。

vol.36では、本メルマガvol.21の「今週のニュースピックアップ Expanded」にご登場いただいた際の対談を再録します。まだ『検証 福島原発事故・記者会見—東電・政府は何を隠したのか』を読んでいない方は、この機会にお手に取ってみてはいかがでしょうか。


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