キャンプ中特別集中連載・一蹴入魂/興梠慎三『静謐さに潜む闘志』(島崎英純・2016/1/27)

浦和レッズのキャンプ取材は連日怒涛の勢いで、単身で取材する身では一日のうちにひとりかふたりの選手くらいにしか話を聞くことができません。そこで、今回の沖縄キャンプ、そして第二次の鹿児島キャンプでは、狙いを定めた選手に集中して話を聞き、それを原稿に落とし込むことにしました。題して『一蹴入魂』。できる限り、選手の内面に迫った内容を突き詰めたいと思いますので、皆様、是非、よろしくお願い致します。

タイトルへの渇望

沖縄キャンプでの興梠慎三は、常に森脇良太と一緒にトレーニングしていた。興梠は普段から寡黙で、練習中も「うぁ……」とか、「シンド……」などといううめき声などしか発さない。意外だったのは森脇のほうで、マイペースな興梠の佇まいに感化されたのか、彼もまた、ほとんど言葉を発さずに厳しいメニューをこなしていた。

鹿島アントラーズから浦和レッズへ加入してからの興梠は悔恨の日々を過ごしている。タイトルを至上命令とされた鹿島の精神を良い意味で持ち込もうと志高く浦和へ加わった2013シーズンから早くも3年が経過し、今季は浦和在籍4シーズン目である。だが、その間、チームは一つの’タイトルも獲得できていない。

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