無料記事:興味深い遠藤のポジション 浦和レッズ・鹿児島キャンプレポート第12日(2016/2/11)

明日の長崎戦に向けてトレーニング

浦和レッズは鹿児島キャンプ12日目の今日、鹿児島県・指宿市の指宿いわさきホテル内サッカー場で午前午後の2部練習を実施した。

本日は建国記念日の祝日で、晴天、気温も18度前後まで上がり、多くのファン、サポーターが詰めかける中で練習が行われた。

この日は9時30分から開始された午前練習で明日のV・ファーレン長崎とのトレーニングマッチへ向けたミニゲームが実施された。縦幅60メートル前後、横幅50メートル前後の狭いスペースで、以下の2チームが対峙した。チームの組み分けは以下の通りだ。

 

 

 

この日の練習では加賀健一が完全別メニュー調整。また、高木俊幸と平川忠亮はミニゲームから別メニューとなり、その後、ミニゲーム途中で柏木陽介が抜け、平川が参加した。

Aチームの陣容は昨日の12対12の変則ミニゲームのメンバーとほぼ同じだった。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は前回の大田シチズン戦で、試合前日に実施したミニゲームのメンバーをそのままチーム分けして戦わせた。その流れからいくと、今回も明日の長崎とのゲームではAチームが1、2本目、Bチームが3,4本目に出場する可能性が高い。

大田シチズン戦と今回との違いはリベロに槙野智章が入り、左ストッパーに橋本和が抜擢されている点だ。槙野のリベロ起用は現在の鹿児島キャンプの練習で度々トライしており、テストの意味合いを兼ねて明日のゲームでも務める可能性がある。

ポジション争いが活性化している守備陣

今季のチームは守備的なポジションでのレギュラー争いが激化している。昨季まで主力を務めたリベロ・那須大亮、ストッパー・槙野&森脇良太を中心に、永田充、橋本、加賀、新戦力のブランコ・イリッチ、そしてようやくチームに合流した遠藤航らが熾烈な競争の渦中にいる。ペトロヴィッチ監督は毎日の練習やトレーニングマッチでその陣容を微調整しており、その格付けは未だ流動的だ。

例えば那須は沖縄キャンプでボランチ起用され続けたが、鹿児島キャンプの途中ではリベロに戻っている。逆にイリッチは沖縄キャンプで終始リベロを務めたが、鹿児島では右ストッパーで試されている。また永田はリベロ、左ストッパーでプレーしているし、加賀、橋本が主力組に入るパターンもある。昨季まで聖域と言われた浦和のバックラインは今、様々な選手の個性が絡み合いながら最適な組み合わせが模索されている。

特に遠藤のポジションがどこに定まるのかは興味深い。今のところ遠藤は控え組と目されるチームのボランチを任されているが、本人の口からは「守備的な役割を求められていると思っている」と語られ、湘南ベルマーレ時代の主戦ポジションだった右ストッパーで起用されるのではないかと示唆している。ただ明日のゲームの遠藤は控え組のボランチでプレーすると思われる。浦和での対外試合初戦で遠藤がどのようなプレーを見せるのか、ペトロヴィッチ監督のサッカースタイルへの順応度を図る意味でも注目されるだろう。

また、前線トライアングルの組み合わせも例年通り流動的だ。今日試されたのはズラタン、興梠慎三、武藤雄樹のセットで、これはこれまでの鹿児島での3回のトレーニングマッチとは異なるユニットだ(大田戦、柏レイソル戦はともに興梠、李忠成、武藤のセット、東海大学熊本戦はズラタン、興梠、梅崎のセットだった)。

高木俊幸は首痛で万全な状態ではないものの、李はキャンプを通して好調さを維持しており、右膝前十字靭帯損傷の大けがから復帰した石原直樹は鹿児島でのトレーニングマッチ3試合でいずれもゴールを挙げるなど、他にもスタメン候補が群雄割拠している。浦和はシーズン序盤戦にリーグとアジア・チャンピオンズリーグ・グループリーグを並行して戦う過密日程を乗り切らねばならない。こうなると昨季のようなターンオーバーも十分に考えられる。ペトロヴィッチ監督としては、今の段階で様々な組み合わせにトライして各ユニットの練度を高めたい狙いがあるのかもしれない。

 

ミニゲームは約40分で終了し、午前練習が終了した。そして浦和は15時30分から午後練習を行ったが、こちらはキャンプも中盤に入ったことで公式戦開幕に向けてコンディションを整える狙いがあることから、鳥かご、パスワーク、ステップワーク、そしてジョギングのみの軽い調整のみで終えた。

浦和は明日、11時からV・ファーレン長崎とトレーニングマッチを行う予定だ。

(了)

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