白熱の極限バトルを制し、浦和が貴重な初戦勝利を飾る【島崎英純 2016J1ファーストステージ第1節・柏戦レビュー】

■大胆な布陣で臨んだJ開幕戦

穏やかな陽光に照らされた日立柏サッカー場で、浦和レッズが2016シーズンのJリーグ開幕戦勝利を飾った。

浦和は3日前にAFCチャンピオンズリーグ・グループリーグ第1節のシドニーFC戦を戦い、2─0で勝利していた。かたやホームの柏は2月14日にプレシーズンマッチの『ちばぎんカップ』を戦い、ジェフ千葉に0─3で敗れている。スケジュール面では約2週間のインターナルを経て臨む柏に対し、浦和は中2日の強行軍である。浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は当然過密日程を考慮に入れていて、すでにシドニーFCとのゲームからターンオーバーを加味したメンバー構成を施していた。

シドニーFC戦で先発した選手のうち、今回の柏戦ではDF永田充、MF青木拓矢、MF梅崎司の3人がベンチ入りメンバーからも外れた。またズラタンがスーパーサブ的役割でベンチに控えた代わりに、インフルエンザでシドニーFC戦を欠場した李忠成と、前回途中出場からPKを獲得してシーズン初ゴールをゲットした興梠慎三がスターティングリストに名を連ねた。

一方で、柏戦では昨季の公式戦では見られなかった斬新な陣容が成された。まずバックラインの中心には槙野智章が入り、最後尾の砦として鎮座した。両脇を固めるストッパーは右に新戦力の遠藤航、左に森脇良太。そしてボランチはキャプテンの阿部勇樹と左膝痛でリハビリ調整を強いられていた柏木陽介が並び立った。そして左右のサイドアタッカーは右・関根貴大、左・宇賀神友弥と前戦と同じ組み合わせ、前線トライアングルは前述の李、興梠に武藤雄樹が組むユニットだった。

まず検証しなければならないのはバックラインの陣容だろう。

(残り 6340文字/全文: 7047文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »