適切な人員配置で持ち味発揮。浦和が福岡に完勝を果たす【島崎英純】2016Jリーグ1stステージ第3節・アビスパ福岡戦レビュー(2016/3/13)

興梠が熱望していたワントップでプレー

浦和レッズの攻守は安定していた。

前節よりも前線コンビネーションの質が格段に高まったのはユニットの組み合わせに起因している。1トップの興梠慎三に武藤雄樹と李忠成の2シャドー。昨季も実績を築き上げているユニットだが、興梠が最前線、李がその後方に控えるポジショニングがプレーレベルを向上させ、それぞれのパーソナリティが効果的に発揮されていた。

興梠はかねてから1トップでのプレーを熱望してきた。しかしミハイロ・ペトロヴィッチ監督はズラタンや李など他の1トップ候補との併用を目論み、技術力と判断力に優れる興梠をシャドーで起用する選択をしてきた。しかし周囲に目を配りすぎる興梠の思考回路を鑑みると、その起用法は個性を封印する犠牲的精神に帰結する可能性が高まる。前節のジュビロ磐田戦での興梠は攻守バランスが崩れるチーム状況の中で味方バックラインとボランチをヘルプすべくポジションを下げ、中盤でボールをさばく役割をこなしていた。興梠自身は、その行為についてこう自省している。

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