【島崎英純】2016Jリーグファーストステージ第11節・大宮アルディージャ戦レビュー

■理詰めの戦略に苦しんだ浦和

NACK5スタジアム大宮はピッチからスタンドまでの距離が近く、選手たちの声や息遣い、お互いの身体がぶつかり合う音までもが聞こえる。『さいたまダービー』のようなビッグマッチでは両サポーターもそうだが、取材記者も多数訪れ、机付きの記者席は事前に整理券が配布されるほどの盛況ぶりだ。メインスタンドに設置された各シートは一般席も含めて、人が歩けないほどの極小の通路に設置されていて利便性が悪いが、選手たちの迫力あるプレーを直近で目撃できる魅力を考えれば、まったく問題にならない。

『さいたまダービー』は同地域に本拠を置くクラブ同士の威信を懸けた戦いだから、当然サポーターもチームも熱くなる。ピッチ上で繰り広げられる肉弾戦は想像を絶するもので、球際の争いではしばしば強烈なボディコンタクトが起こり、あまりの痛みに悶絶して倒れる者が続出する。

今回のゲームは浦和レッズがリーグ戦首位、大宮アルディージャが同5位の状況で迎えていた。浦和はすでにJリーグファーストステージ第8節で川崎フロンターレを下して首位決戦を制している。しかし、今回はその時以上にタフなバトルとなり、宇賀神友弥曰く、「今シーズンの試合で一番苦戦した」ゲームとなった。

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