【無料掲載】2016Jリーグ2ndステージ第9節・川崎フロンターレ戦[中村憲剛(川崎)][選手コメント]

○中村 憲剛
(前回対戦で負けている)リベンジの気持ちも強かったので、勝てて良かった。3バックは今年初めてだったので、前半は慣れるのに時間がかかったけど、向こうも運動量が多かったし、1-1で折り返してハーフタイムに修正できたことが非常に大きかったと思う。

Q 中村選手がフリーマンのような形で動いていましたが、どんな狙いがあったのでしょうか?

A オレが1点を取って良かったけど、クロスボールを入れられて失点をしているので、おあいこかなと。駆け引きの世界だし、オレが左ウイングにいるような形で固定した動きで相手にハマってしまうよりは、オレが動くことでサポートに回ることもできる。そして数的優位を作って、(柏木)陽介と(阿部)勇樹がダブルボランチに付きたいんだろうけど、オレが彼らの背中にいるから、ボランチの一人のうちの誰かがオレを見ないといけないし、そうなると、リョウタ(大島)とネットのどちらかが空く。

恐らくレッズは、前から行きたかっただろうけど、それをオレがやらせたくなかった。モリ(森脇)がどこまで付いてくるか見ていたし、それで何か特別大きな決定機を作れたかどうかは分からないけど、相手からすると気になる存在が、ボランチの背中とCBの前にいたことでイヤだったと思う。那須ちゃんが(大久保)嘉人を見ているから、モリが一人余る状態にすれば、こっちはボールが回ると思っていた。それにしても、先制するまでは良い流れでいけたけど、先制したあとにボールを持たれ過ぎた。後半は修正して前から行けるようになった。

 

Q リオから帰ってきた大島選手について。

A いつもどおりでしょ。今日はしんどそうだったけど、風間さんは(国際試合から帰ってきたばかりでも起用する)そういう人。オレもコンフェデから帰ってきてすぐに使ってもらえた。でも2点を取ったから「成せば成る」と言っておきましたよ。

 

Q 途中から森脇選手も中村選手に付く形をあきらめて、ブロックを敷くような形に変えてきましたね。

A そうなると向こうの良さは出にくくなる。レッズの良さは、前からプレスをかけてボールを引っかけて、ショートカウンターをしかける形が得点源。それができないということは、相手の武器を減らすことにつながったと思う。高い位置でボールを取られても、こちらが前から行けるし、向こうが苦しまぎれにクリアしてくることで、浦和は時間がかからないと攻撃ができない形になっていたと思う。そういう意味では狙いどおりだった。

 

Q ボールを持って崩すよりも、オフ・ザ・ボールで相手を崩していくような働きでしたね。

A 相手にとって何がイヤなのかと考えていたし、オレはモリではなく、とにかく相手にするのは勇樹と陽介なので、彼らが前に行きたいところを、「ヤベ、憲剛がいる」と思わせれば良い。とにかく彼らの背後を突くことを考えていた。ダブルボランチの一人がオレに付いてくることで、ネットとリョウタが一人空くので、真ん中で数的優位ができる。そうなれば前から行ってもボールを取られないし、向こうに聞いてみないと分からないけど、(レッズは)ハメられない感じがあったんじゃないか。

でも、それも一か八かだし、向こうがガッと(プレスに)来たときに、ウチがミスれば、ボールを失う。一度落ち着けば、相手の陣地にジワリジワリと入っていけることになる。ただ前半はクサビを狙い過ぎたりとか、縦にボールが行ってしまい、そのボールに対しては浦和も強い。横でゆっくりとパスを回して、相手が来た中で、こちらがガッと行けばいい。後半はその感触で行こうと。後半はレッズもこの天候だからガンガン前から来ないだろうし、あとは慎三が後半のいつに入ってくるだろうか、という展開だった。

« 次の記事
前の記事 »