【無料掲載】2016明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ決勝第2戦・鹿島アントラーズ戦[小笠原満男(鹿島)][選手コメント]

○小笠原 満男
1点を先に取られても(2点以上は取らないといけないという)状況に変わりはないので、むしろそれによってレッズは試合を難しくしたのではないかと思います。チャンピオンシップという特殊なレギュレーションであることは頭に入って戦っていました。

みんなで点を取られても慌てずにやろうと。レギュレーションに沿って戦い方を変えられたのがアントラーズだと思います。第1戦は1-0という結果でレッズは難しくなったと思いますし、心理的なもの、戦術的なものを含めて、ウチは冷静に戦えたんじゃないかと思います。

よく自分たちの戦い方という話が出ますが、こういう特別なレギュレーションで、一発勝負であることから、めまぐるしく戦況が変わる中で、何をすべきか、それが分かっていたと思います。

ビハインドになってもレギュレーションを考えた中でやり方を変えることができる。みんなが冷静に状況を理解して、表現できることがこのクラブの伝統だと思います。攻めるべきならば攻めるし、守るべきならば守る。それができるのがこのチームです。

 

Q 1-1の同点になったことで2点目を取って勝ち越せばいいという状況になりました。

A 別に慌てる必要はないですし、残り10分、15分であと1点が必要な状況になっても、何も問題はないです。アントラーズとしては最初から2点を取る必要があったことで、心理的にレッズのほうが難しかったのではないかと思います。

個人的には最後までピッチの中でプレーしたかったですが、味方と仲間を信じていました。言い方は難しいのですが、このチームは勝負強いのではなくて、一生懸命トレーニングからやって、試合で必死に戦ってきたことで、勝ってきたチームです。勝負強いから勝てるほど、この世界は甘くないですし、謙虚に努力しないといけません。いつでも勝てるとは限りません。そこは履き違えてはいけないと思います。

 

Q 鹿島らしさの経験を伝承していくことを意識している小笠原選手にとって、今回の優勝は大きいのでは?

A タイトルを獲っていく上で自分もそういう経験をして成長させてもらいました。セカンドステージでなかなか勝てずに連敗をして、どういうふうにすれば勝てるのか分からない状況と、今日勝った試合のことを冷静に比較して、ジーコスピリットではないですが、チームのために戦うということがどういうことなのか。口で言うよりも、こういうタイトルを獲るという経験を積むことが大きなことです。意味のあるタイトルだと思います。

 

Q 前回のリーグ優勝との違いは?

A 正直、年間1位でチャンピオンシップを勝ちたかったですが、このレギュレーションでチャンピオンシップで優勝して、それでもタイトルはタイトルだと思います。来季はまたレギュレーションが変わるので、年間1位にこだわってやっていきたいですし、年間1位は来年までとっておいて、来年も頑張りたいと思います。

 

Q 昨年はナビスコカップで優勝して、今年はファーストステージとチャンピオンシップを獲ったことで、若い選手たちの成長を感じる部分はありますか?

A それを感じるのはこれからです。これで浮かれていくのか、もう一度優勝するピッチに立ちたいと歯を食いしばって頑張れるか、その差は大きいです。このタイトルを獲ったあとが大事です。クラブW杯、天皇杯とまだタイトルは残っていますから、来季もあります。タイトルを獲り続けることがアントラーズというチームです。

 

Q クラブW杯について。

A それはまだこれからですね。終わったばかりなので。

 

Q このチャンピオンシップ優勝の価値は?

A 何個タイトルを獲っても、また獲りたいという欲があります。やっぱりいいものです。欲張りなところがこのチームの良さですし、次も次もという意識もあります。来年は年間1位を獲りたいですし、ACLもあるので、狙っていきたいです。

 

Q 試合終了の瞬間の心境は?

A 冷静でした。クラブとして18冠目で、良いところばかり取り上げられますが、決勝で負ける悔しさも味わってきましたし、ロスタイムに点を取られて優勝を逃したこともあります。このチームは決して良い思いばかりをしてきたわけではありません。一つ勝ったぐらいで浮かれてはいけません。それは勝てばうれしいですけど、レッズの年間1位の気持ちが分からなくもありません。勝った中にも悔しさがあるので、それは来年また取っておきたいと思います。

 

Q レッズもこの悔しさで力を上げてくるでしょうし、良いライバル関係になりそうですね。

A ライバルは必要ですし、僕たちもレベルを上げないといけません。そうやってJリーグのレベルが上がっていけばいいなと思います。

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