【戦術コラム】浦和レッズ・チーム解析ー大宮、鹿島が施した浦和対策

バイオリズムの低下

 2017シーズンの浦和レッズが困難な時期を迎えている。Jリーグ第9節・大宮アルディージャとの『さいたまダービー」は0-1で敗戦。そして第10節・鹿島アントラーズ戦も同スコアで屈して今季初の連敗を喫した。大宮は浦和戦前に8戦未勝利でリーグ最下位に沈んでいたチーム。そして鹿島は、昨季の明治安田生命チャンピオンシップ決勝でアウェーゴール差の末にタイトルを強奪された相手だった。

 浦和のチームコンディションは緩やかに低下していた。ピークは4月7日のJリーグ第6節・ベガルタ仙台戦で7-0の大勝を果たした時で、その後は上海上港、FC東京、コンサドーレ札幌に1-0の最小得点差で勝利するなど、開幕当初に標榜した爆発的な攻撃力が影を潜めた。

 今季の浦和は公式戦初戦が2月21日のAFCアジア・チャンピオンズリーグ・グループステージ第1節のアウェー、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦だった。また、それ以前の2月12日に『さいたまシティカップ』・FCソウル戦(△1-1)、2月18日に富士ゼロックススーパーカップ・鹿島戦(●2-3)を戦うスケジュールを強いられ、例年よりも早くチーム構築を進めなければならなかった事情があった。昨年12月初旬のCSに敗れてから長期オフ期間を過ごしたことも含めて、例年とは異なるシーズンスケジュールで今季に臨んでいたわけである。

 こうなれば、当然チームは予測できないバイオリズム曲線を描く。実は昨季もチーム状態が低下した時期があった。それはACLノックアウトステージ・ラウンド16でFCソウルに敗れて以降の5月下旬の時期だった。その前例と照らし合わせて、先の仙台戦をチーム状態のピークとするならば、今季は昨季よりも約1か月半早く調子が下降している。

 ここで今一度、今季の浦和のチームコンセプトを整理してみる。

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