【無料掲載】2017明治安田生命J1リーグ第12節・清水エスパルス戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ][監督会見]

◯ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
今日のゲーム、勝利が求められた中で、何が何でも3ポイントを取るという意気込みで試合に入りました。相手に1点を取られるまでは、立ち上がりから非常にいい形でゲームを支配しながら進められたと思います。1点を取られたあたりから、多くの選手の運動量が急に落ちたように感じました。5人くらいの選手の運動量が落ちてきた中で、前線の選手は前に攻撃を仕掛け、ボールを失った後は真ん中に穴が空いて、カウンターを受ける展開が続いてしまいました。

そういう中で、相手に逆転される展開を作られてしまいましたが、その中でも勝利を目指して最後まで戦い、3-3に追いつきましたが、その後に4点目を取れるチャンスが何回かあったと思います。それを決められず、最後の方には相手に4点目を取るチャンスがあったのを見れば、我々は3-4で負けなくてよかったなと。お互いに4点目を取るチャンスがある中で引き分けたという展開だったと思います。試合の展開を見れば、我々は途中までは非常にいい戦いができたわけですけど、逆転される流れを見れば、引き分けというのは最終的には悪くない結果だと捉えたいと思っています。

引き分けという結果に対しては、非常に不満ですけれども、60分までは非常にいい戦いができて、残り30分は満足できない内容でした。ただ、次のACLの2試合に向けて、いくつか見えたものがあります。こういった試合もサッカーの中で起こりうると思っていますし、今日のゲームを見た上で、今後に向けて判断材料になるものもあったのではないかと思っています。

Q 1点を取られてから運動量が落ちたということだが、暑さのせいか、失点による心理的なものか? 気温が原因であれば、次の済州戦も15時の試合で暑い可能性があるが?
もちろん、我々が言い訳を見つけるのであれば、ここまでACL、リーグと並行して戦ってきて、移動、気候の変化の影響はあるでしょう。ただ、プロフェッショナルな選手として、そういうものには当然のように順応、対応していかなければいけないと思います。

気温に関しては、相手も同じ条件で戦っています。ただ、守備的に戦うチームと比べ、仕掛けていく側のチームは、より集中力と、細かい動きの繰り返しを要します。その意味では簡単ではないとは思います。60分過ぎから4、5人の選手の運動量が急に落ちたことに関しては、次のACLの済州戦に向けて十分に考えていかなくてはいけません。

済州は非常にコンパクトで、激しく、アグレッシブで運動量が多いチームです。G大阪との試合を見れば、いかに相手が強いチームなのかは理解できると思います。連戦の中で、今日の試合のように4、5人の選手の運動量が60分過ぎからあれだけ落ちてしまっては、次の試合は非常に難しくなってしまうでしょう。その意味で私自身、次の試合に向けて十分に考えた上で先発を考えなければいけないでしょう。

陽介に関しては、ケガ明けで長時間プレーすることに関して、まだそこまで体力が上がってきていないことも十分考えられます。ただ、それ以外の選手に関しては、気温の変化、連戦による疲労の蓄積の影響があるかもしれませんが、選手たちとしっかり話をして、それを参考にしながら考えていかなければいけません。疲れの溜まってきている選手をフレッシュにしていくのは、決して簡単ではありません。ケガ明けでコンディションを上げていく選手をフレッシュにするのは難しくはないですが。

1点を取られるまで、60分くらいまでは非常に素晴らしい、我々のゲームができた試合だったと見ています。ただ、2-0でリードした浦和が後半に2-3で逆転される展開を作ってしまう、それは運動量が落ちた、疲れているということはあると思いますけど、試合展開的に2-0でリードしている展開の中で2-3と逆転される状況を作ってはいけないでしょう。

我々は3-3に追いつき、相手を押し込みながら4点目を取るチャンスも作れたわけですが、今後を戦っていく上でそうした試合展開はあってはならないと思っています。いろいろなものが見られた90分であったと思っていますし、しっかりと時間をかけて、今日のゲームを分析しなければいけないと思います。

Q 最後は興梠、ズラタンの2トップ、柏木、交代後は矢島の1ボランチで戦ったが?
普段、我々は後ろを5枚、前を5枚という形でゲームを組み立てています。この試合で3-3に追いついた状況の中で、どうしても勝利したいという気持ちから前線を6枚、後ろの組み立てを4枚という形に変更しました。私が広島を率いているときに、同じようなシステムを採用したことは最初の2年間ありました。より相手ゴールに迫っていく、前に人数をかけるという意味で今日の戦術的な変更をしました。

武藤選手と高木選手が2シャドーに入ることによって、よりボールの引き出し口を多くする、それを狙いとして考えて変更しました。前が4人、2シャドーがいて、アンカーが1人いるような形を取りました。

今日、高木選手は途中から試合に入りましたが、なかなか試合に入りきれない場面が多かったと思います。前節の新潟戦くらいのパフォーマンスがあれば、彼のプレーから逆転できるような場面は十分に作れたのではないかと思います。彼は非常にいいキックの質を持っていますし、ドリブル、シュートがあります。ただ、今日は試合に入りきれない中で、少しボールをロストするような場面が多かったのではないかと思います。私は彼のそういった能力に期待して、あのポジションに入れましたが、残念ながら今日のゲームではなかなかそれが生きませんでした。

高木選手は、ペナルティエリア外からでも非常に危険なシュートを打てる選手です。相手があの時間帯で7人、8人としっかりブロックを作って守ってくる中で、ミドルシュートという選択肢も得点するためには必要だったと思います。何回か、彼がシュートを打てそうな場面があったと思いますが、今日はそういう場面で私が期待したようなプレーは出せなかったと思います。

後半途中まで2-0でリードし、2-3と逆転され、3-3に追いつくという状況の中で、最後は試合が非常にオープンになったと思います。浦和としては2-0でリードした展開の中で、最後に3-3で試合を終えるというのは非常に後味の悪い試合だったと言っていいでしょう。

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