危険を示す兆候はあった。今のチームには変革が必要【島崎英純】2017Jリーグ第15節・ジュビロ磐田戦レビュー

予兆は出ていた

アラート信号はあった。6月11日に実施された筑波大学とのトレーニングマッチだ。大学生相手、しかも筑波大はトップチームが前日に関東大学サッカーリーグ戦を戦ったことでセカンドチームだったにも関わらず、浦和は主力チームが出場した45分の1本目で0ー2。その後は控えチーム中心の2本目から3本目の間に2点を返すにとどまり、2ー2で引き分けた。

6月4日のJリーグ第14節・柏レイソル戦を0ー1で落として国際Aマッチウィークへ突入し、約2週間のインターバルを経ながらもチームコンディションが上向かない。大学生とのトレーニングマッチは往々にして調整度合いが色濃くなるが、それにしても集中力の欠如した試合内容に不安が募った。

済州ユナイテッドとのAFCアジア・チャンピオンズリーグ・ノックアウトステージ・ラウンド16は壮絶なタフマッチの末に浦和が逆転で準々決勝進出を決めた。ホーム・埼玉スタジアムで延長戦を含めて3点を叩き込んだ迫力は素晴らしく、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制初のACL8強進出はチームの成長をも示した。だがホームでの劇的な勝利の裏で、第1戦アウェー完敗の事実も鑑みなければならない。済州のカウンターに屈した所作は今季の浦和が抱える問題点を如実に表していたし、その理由を『イージーなミス』だけに求めていては改善の道は険しいことを理解すべきだった。

暫定ながら首位・柏に勝ち点7差の6位で臨んだJリーグ第15節・ジュビロ磐田戦。浦和の選手たちからは馬力が感じられなかった。今季序盤のようなガツガツとしたプレス&チェイスが見られない。前線トライアングルの興梠慎三、李忠成、武藤雄樹の3人はどこか控え目で、中盤やバックラインと連動してブロックディフェンスを形成しているようにも見えた。

柏木陽介が気になることを言っていた。

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