【無料掲載】2017明治安田生命J1リーグ第17節・サンフレッチェ広島戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督][監督コメント]

◯ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
今日の試合は両チームとも置かれている状況が厳しい、難しい中での対戦だったと思います。両チームにとって非常に厳しい試合でした。前半に2-0でリードした後、ハーフタイムに選手たちには、2点リードしているスコアは危険なスコアなので、後半最初の15分は特に集中力を高めて戦うようにと伝えましたが、残念ながら私が言った言葉は壁に向かって独り言を言っていたような状況になってしまいました。

そういう中で、1失点目、2失点目ともやられてはいけない形で失点したと思いますし、2-2に追いつかれた後も難しい展開でしたが、3点目もまずい形で失点してしまいました。ただ、選手たちは2-3でリードされた後、何が何でも勝つという気持ちを前面に出して戦ってくれました。そういう中で、ズラタンがゴールし、4点目の関根のゴールは本当にコメントのしようがないくらいワールドクラスの素晴らしいゴールでした。

3連敗した後の重要なゲームで勝利できたことはよかったですが、決して手放しで喜べるようなゲームではありませんでした。やはり、いくつか早急に改善しなければいけない点はあると思います。

Q 後半最初の2失点が大きかったが、これだけ経験のある選手が揃っている中でどうしてああいった展開になってしまうのか?
正直なところ、理由が分かる人間は誰もいないかもしれない。ヨーロッパであればあり得ない展開だったと思います。2-0でリードしている中でああいった失点を繰り返すのは、それが日本人選手のメンタリティなのかどうかはなかなかわかりませんが、ただヨーロッパであれば、2-0という結果をきっちりと保ちながら、前がかりになる広島に対してさらに得点を重ねていく展開を作れると思います。

私はラファエル・シルバを途中で入れましたし、私自身としてはそういった部分はなかなか説明をすることは難しい、そういう試合だったと思います。2-0でリードする中で広島がリスクを負って攻めてくる状況であれば、やはり我々の前の選手のスピードが生きて、逆にカウンターで得点を重ねる展開を浦和は作らないといけない。リードしている展開で、逆にボールを奪われてカウンターを受けるようなシーンを作ってしまった、それは決してあってはいけない失点だったと思います。

人が十分いる中で得点されてしまう状況もあったと思いますが、それはチームとしてしっかりと練習し、話をする中で解決していくしかないと思います。

Q 早急に改善しないといけない点は?
やはり運動量のところ、運動量は落ちていると思いますし、動きのキレも落ちていると思います。動き出しのタイミング、もっとベターなオフ・ザ・ボールの連動性、質にしていかないといけない。

我々がやっているのはプロフェッショナルな世界のサッカーであり、決して学校の休み時間にやるサッカーではありません。相手がボールを持っている中で、守備に入っている選手が見ているような状況は決してあってはならないだろうし、相手が攻めに来る中で戻らないという状況はあってはならないと思います。遊びでやるサッカーではないので、しっかりと選手たちがプロの世界の中での戦いだということをしっかり理解するべきだと思います。

ということは、やはりやるべきことがたくさんあるということです。済州で見せてくれた選手たちの戦いと、最近見えている戦いというのは大きな、大きな開きがあると思います。そういった部分がなぜ出てくるのか、私もしっかりと見て、選手たちに求めていかないといけない。

やはり、日本のリーグではこういうことが起こり得るのかもしれない。これだけの戦いができる広島が今、順位で言えば下から2番目にいます。以前で言えば、ガンバ。あのようなチームが降格することも起こり得る、そして名古屋が落ちてしまうことも起こり得る。なにかしら歯車が狂ってしまうと止めることができない、それだけのチームでも起きてしまうというのが日本のリーグ、あるいは日本の選手たちなのかもしれません。

ヨーロッパでは、もっと選手たちに厳しいものを求めます。たとえば、1億稼いでいる選手が軽いプレーを繰り返せば、クラブは罰金を求めるでしょう。

今日は川崎が5-0で勝ちましたが、それが我々が次に対戦する相手です。

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