【無料掲載】2017天皇杯3回戦・ロアッソ熊本戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督][監督コメント]

◯ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
歌ってもいいですか(笑)。決して簡単なゲームにはならないと思っていましたが、予想していた通り、非常に厳しい、難しいゲームでした。天皇杯、特に格下との対戦は、今日のように難しいゲームになることが多いです。今日のゲームは勝ち上がったこと、我々の目的が達成されたことを良しとしなければいけないと思います。

相手も高いモチベーション、強い気持ちで戦ってきました。普段、公式戦の出場が少なかった選手が多く出場した中で、全員が勝ち上がるという強い気持ちを持って、目的を達成してくれました。内容に関しては特別なものはなかったと思いますが、選手たちは高温多湿の厳しい気候の中でも、全力で戦ってくれたことに感謝したいです。

Q 遠藤選手の守備について評価は?
代表から帰ってきてから、ここ最近は本来の遠藤選手のプレーができていない試合が多かったです。特に競り合いの部分、あるいは予測の部分は本来の彼の調子ではなかったと思います。もちろん、今日の試合はDFリーダーとして全体を鼓舞しながら、彼自身も球際、予測、カバーリングも含めて良くやってくれたと思っています。

Q 川崎戦後に自身の進退の発言もあった中での連勝となったが?
今日のゲームは、格下相手ということで勝たなければいけない相手でした。川崎戦の後に首位と10ポイントの勝ち点差がありましたが、我々が優勝争いをしていくためには連勝していかなければいけないという話をしました。連勝するかしないかは別として、9ポイント差は十分に縮め、追いつけるだけの攻撃力がチームにはあると思っています。誰も連勝の保証はできませんが、我々はそういうことが十分に可能なチームです。我々にはまだ十分に試合が残されている中で、1試合1試合を全力で戦い、その差を少しずつ詰めていきたい。

J1リーグは中断期間に入っていますが、他のチームは2週間ほどのブレイクがあります。しかし、我々は今日の試合、フレンドリーマッチがあり、基本的には休みがない状態です。我々は川崎戦の前から連戦を戦って、今日も含めれば4連戦になります。そして、この後もドルトムントとのフレンドリーマッチが入り、次の週にはセレッソ大阪との試合があります。8月15日にはスルガ銀行チャンピオンシップでシャペコエンセとも戦います。その間、他のチームは十分に休みを取り、後半戦に向けて準備をした上で入っていけます。我々はそういう状況の中で、夏場の連戦を戦っていかなければいけません。みなさんはあまり気にされないかもしれませんが、そういう違いがある中で戦い、結果を出していかなければいけない、難しい状況です。

メディアの方は疑問に思うことを監督に意見を求めていると思いますが、いろいろな状況を見ていると、私の意見というよりも自身の意見を伝える意図があるのではないかと思います。よくあるのは、選手のプレーの評価を聞くことだと思いますが、私は個人の選手を批判したり、良かったとか良くなかったとかというコメントはしたくはありません。

2回戦の盛岡戦は、今日のようにこれまであまり出場機会のなかった選手たちが出場しました。今日もそういう選手たちが出ていました。チームとしての目標の一つはリーグタイトルを獲ること、ACLを獲ること、ルヴァンカップも優勝を狙うこと、天皇杯も優勝を狙うことです。もちろん、スルガ銀行チャンピオンシップも一つのタイトルとして、ほしいものでもあります。

夏場の一番暑い時期、、2カ月の間に我々は12試合を行います。今日の試合でチームに所属している選手のほとんどをみなさんは見る機会があったと思いますが、そのメンバーを見て、連戦を戦いながら5つのタイトルを獲るだけの戦力があるのかどうか、それはみなさんが考えて、書けば良いのではないでしょうか。日本のサッカーの記事というのは、選手や監督のコメントをうまくつなげながら文章を作っていくことが多いですが、ご自身の意見ももう少し記事の中でぶつけられたらどうかと思います。

FC東京は25ポイントで我々よりも4ポイント少ないですが、非常にすばらしいチームです。6人の代表経験者を獲得しています。GKの林選手、オランダから大田選手、名古屋から来た永井選手もそうです。高萩選手も高いレベルの選手です。そして大久保選手やピーター・ウタカ選手もいます。そして、広州富力から韓国代表の選手も入ると思います。

私はクラブの方針を支持していますが、浦和が今シーズンどのような選手を獲得したか。矢島選手は岡山への期限付き移籍から戻ってきました。長澤選手とオナイウ阿道選手はジェフ千葉から獲得してきた選手です。菊池は湘南から来た選手です。田村選手は福岡から来ました。ラファエル・シルバは新潟から来た選手と若い選手を獲得しています。榎本哲也選手は横浜から来ました。

FC東京が補強した6人の選手と、我々のチームの選手たちを見てください。なぜ、浦和に対して必要以上に圧力をかけてくるのでしょうか。会見に出ている方たちだけではなく、多くの方たちが我々に強い圧力をかけているのは確かだと思います。

昨シーズン、我々は最もポイントを取ったチームです。ルヴァンカップも優勝しました。シーズン中盤でリーグ戦では9ポイント下にいますが、決してパニックになる状況ではないと思います。煽って騒ぎ立てる人たちは、我々の外側にいる人たちではないでしょうか。何が問題なのでしょうか。

我々はどの大会においても可能性を残している中で、周りが必要以上に煽り立てて、圧力を掛けることはなぜなのかと思います。我々は憎まれる存在なのだろうかと感じてしまいます。

2011年、我々は36ポイントしか取れなかったチームです。残り数試合で監督を交代して、なんとか残留したチームです。なぜ、今の状況で監督が変わらないといけないのか。なぜ、そういう話になるのでしょうか。

チームとしては順調に目標に向かって進んでいます。クラブとしては、レッズランドに人工芝ピッチを2つ張り替えていますし、クラブハウスも新しく建てています。チームの成績も、クラブの経営も順調に進んでいると思います。今後はアカデミーもしっかりとしたものを作っていきたいし、クラブとして中長期的なスパンの中でしっかりと仕事ができていると思っています。

監督として、試合の結果に対する批判は私が受けます。ただ、クラブの人たちに対して、経営が悪いとか、運営が悪いといった話をするのは違うと思います。クラブの方が5年半の中で培ってきた仕事は本当にすばらしいものであり、誰も批判できるものではありません。

私が浦和をクビになったとしても、辞任したとしても、すぐにどこかで働く場所はあると思っています。ただ、そこが問題ではありません。私はこのクラブをいかに健全で、健康な状態で仕事ができるように持っていけるかだと思っています。クラブへの愛と、クラブがより長く、良い状況の中で仕事ができるようにしてあげたいという思いしかありません。

批判をするならば、私にすればいいでしょう。ただ、クラブは、1パーセントも批判されるような仕事を彼らはしていません。みなさんに少しでも理解していただけたら幸いです。クラブのためであれば、自分のすべてを懸けて戦います。私は子供の頃から厳しい生活環境の中で常に生きてきました。どんな状況であれ戦うという姿勢を持っていきたい。そして、誰かがこのクラブを批判するならば、誰かが陥れようとするならば、私は自分の全てを持ってそれと戦います。

私は常に自分の思っていることを話します。いろんな意見があると思いますが、私は自分の思いを話しています。

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