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【戦術コラム】平川忠亮が示した『レーン跨ぎ』の意義

ルヴァンカップ準々決勝第2戦で先発した平川忠亮

 浦和レッズは9月3日にYBCルヴァンカップ準々決勝第2戦・セレッソ大阪戦を戦い2-2のドロー。しかし第1戦のアウェーで0-0のスコアレスドローに終わっていたためにアウェーゴール差で準決勝への進出を逃した。昨季獲得したリーグカップタイトルを失う形となり、堀孝史新監督体制としては厳しい状況に立たされている。

 ただ堀監督は次第に自らの『色付け』を始めていて、それは選手の起用法からもうかがい知ることができる。ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督体制時には出場機会が限られていたDF田村友、MF矢島慎也、長澤和輝、菊池大介などを積極的に起用し、今季のルヴァンカップのレギュレーションに加えられたU-21枠で第1戦では伊藤涼太郎を先発、そして2種登録で浦和ユース所属の橋岡大樹を途中出場させ、第2戦では橋岡をスタメンでピッチに立たさせている。

 そしてセレッソ大阪との第2戦ではもうひとり、重要な役目を担ってチームに貢献した選手がいた。それは右サイドアタッカーを務めたチーム最年長の平川忠亮だ。今季平川が公式戦に出場したのは天皇杯2回戦・グルージャ盛岡戦(先発フル出場)、スルガ銀行チャンピオンシップ・シャペコエンセ戦(途中出場)の2試合のみだったが、堀監督は重要なカップ戦のホーム&アウェー第2戦で彼を先発に抜擢し、フル出場させた。そして平川は武藤雄樹のゴールをアシストして結果を残した。本人は「他に2,3回アシストできるチャンスもあったし、得点機会を逃してもしまったので、まだまだ課題はあります」と反省を怠らなかったが、試合勘を整えるのが難しい状況でも淡々と準備を重ねてチームが求める最善のプレーを実行する所作に頼もしさを感じた方も少なくないはずだ。

 その平川が実践したプレーは、彼の個性とチーム戦術を絶妙にマッチさせるものだった。今季これまで起用されてきたサイドアタッカーは関根貴大(ドイツ・ブンデスリーガ2部のインゴルシュタット04へ完全移籍)、駒井善成に代表されるようにスピードとドリブル能力を備え、1対1勝負に秀でるタイプが重用されてきた。しかし堀監督は関根が移籍したタイミングで菊池を左サイドで抜擢し、C大阪との第2戦では右に平川を配備した。ちなみに平川が先発でピッチに立ったときは後方に右ストッパーの橋岡を従える形になった。堀監督としては経験豊富な平川が橋岡をフォローすることで安定化を図る狙いもあったかもしれない。ただ、平川の起用はチーム全体のコーディネイトに重きを置いたものではなく、あくまでも重要な戦力として、タスクを実行するキープレーヤーとして指揮官が抜擢したに違いない。

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