【戦術コラム】今一度、堀孝史監督の4-1-4-1を検証する・前編

現実的にはACLの一冠を追う

 堀孝史監督の体制の浦和は現在Jリーグでは13勝5分10敗の7位。首位・鹿島アントラーズとは勝ち点17差で優勝は厳しい状況だ。また天皇杯は4回戦で鹿島に敗れ、YBCルヴァンカップも準々決勝でセレッソ大阪に屈して敗退した。残るはAFCアジア・チャンピオンズリーグの一冠だが、こちらは準決勝のアウェー第1戦で中国スーパーリーグの上海上港に1-1とアウェーゴールを得て第2戦に希望を繋いでいる。2007シーズン以来10年ぶりとなるアジア制覇のチャンスを掴んでいるわけで、是が非でも本タイトルは獲得したい。 

 そんな中、最近の浦和は一貫して4-1-4-1システムを採用している。このフォーメーションは堀監督が浦和ユースを率いていた2011年に採用していた形で、指揮官が最も好むシステムだ。当時の浦和ユースにはFW阪野豊史(山形)、MF山田直輝(湘南※レンタル)、MF高橋峻希(神戸)、MF濱田水輝(福岡)、MF永田拓也(横浜FC)らが在籍していて、1学年下の原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)も飛び級で加わり、当時の高円宮杯全日本ユースを制覇するなど、多くの実績を残した。その後、堀監督は2011シーズン途中にゼリコ・ペトロヴィッチ監督が解任されたのを受けてユース監督から暫定でトップチームを率い、2012シーズンからは新任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督を補佐するヘッドコーチとして尽力してきた。そして今年の7月末、M・ペトロヴィッチ監督がクラブから契約解除されたことで、今度は正式に監督としてトップチームの指揮を執っている。

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