浦和レッズ2017シーズン総括3『神戸戦をきっかけに』

 

序盤は攻撃力が爆発

 Jリーグ開幕節の横浜F・マリノス戦を2-3で落とした浦和レッズだが、リーグでは続く第2節・セレッソ大阪戦、第3節・ヴァンフォーレ甲府戦で連勝して態勢を立て直した。C大阪戦、甲府戦ではラファエル・シルバの1トップに興梠慎三と武藤雄樹の2シャドーという前線ユニットで、3人はいずれも連続ゴールを果たしてチームの勝利に貢献している。また並行して戦っていたAFCアジア・チャンピオンズリーグ(以下、ACL0では開幕節のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦に続いてFCソウル戦でも大勝して好スタートを切った。続く第3節のアウェー・上海上港戦では相手の強力攻撃陣に屈して2-3で敗戦したが、ACLの場合はホーム&アウェーのホームで勝利すれば突破への道が拓かれるため、焦りを生む必要もなかった。ちなみにACLではシドニー戦、ソウル戦でいずれも1トップ・興梠、2シャドー・李忠成&武藤という組み合わせが先発し、4ゴール、5ゴールと浦和の得点力が爆発している(上海戦ではズラタンの1トップに興梠&李の2シャドーだった)。

 しかし第4節のガンバ大阪戦で横浜FM戦以来となる1トップ・ラファエル+2シャドー・興梠&柏木という組み合わせで臨んで1-1の引き分けに終わったゲームはチームに暗い影を落とした。アウェーの吹田で行われたゲームは相手MF今野泰幸に先制を許して苦しい展開を強いられる中、試合終了直前にラファエルのPKで追いつくという薄氷を踏むものだったからだ。

 そしてシーズン中盤へと続くチーム状況に大きな影響を及ぼしたのは、第5節のヴィッセル神戸戦だったと思う。この試合の内容によって浦和の指揮官と選手との間で戦術・戦略の齟齬が生まれ、チームバランスの維持に苦慮するようになったからである。

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