[沖縄キャンプを経て]堀監督率いる2018版浦和レッズの狙いを考察−Part.2『4-1-2-3』
システムの意味
現代サッカーでは攻撃、守備、そしてトランジションと称される攻守の合間と、ピッチ上で目まぐるしく戦況が移り変わる。その中で、チームを指揮する監督はあらゆるシチュエーションを想定して戦術、戦略を構築し、選手たちはそのベースに沿ってプレー判断する。そのため、ピッチ上に表出する各選手のポジションはフレキシブルに変化し、将棋の駒のように決められたマス目に収まることはない。したがってサッカーを論じる際に遡上に上がる数字を用いたシステムは、とかく便宜上のものと称されることがある。例えば昨季途中まで浦和レッズを率いたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌監督)はキックオフ時の『3-4-2-1』システムから攻撃時に『2-3-5』、守備時に『5-4-1』と表される可変式システムを用いていた。極論すればペトロヴィッチ監督に限らず、Jリーグや世界各国のリーグで戦うプロチームの大半は攻撃時と守備時で各選手のポジショニングを代えているし、対戦相手の戦い方によっても微調整が施されている。
だが、それでもチーム戦術の幹を成す基本システムは、それを採用する指揮官の哲学や理念、プレー傾向、戦術、戦略が色濃く反映される重要なファクターになる。システムを形骸化させるチームに秩序はなく、規律の保たれないチームに継続的な力は生まれない。もし監督や選手がシステムのことを「それほど重要ではない」と言うならば、その裏に仔細なディスカッションと共通理解が包み隠されているか、もしくは他よりも努力を怠って向上心を失っているかのどちらかしかないと思っている。
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