徒労と焦燥の中で4失点、チームは危機に瀕した【島崎英純】2018YBCルヴァンカップ第2節・ガンバ大阪戦レビュー

選手の動きが重い

 試合開始直後から浦和レッズの選手の動きが鈍い。ホーム・埼玉スタジアムのピッチなのに、躍動するのはガンバ大阪の選手たちばかり。パスワークの質もそうだが、セカンドボール、ルーズボールの争いでもまったく勝てない。これでは主導権を握ることなど叶うわけもなく、10分に泉澤仁に右サイド(G大阪からみて左サイド)を破られてクロスを送られ、オフサイドラインぎりぎりで抜け出したファン・ウィジョにスライディングボレーシュートを決められた。

 浦和はすべてが後手後手に回っている。丁寧に足下へ繋ぐパスも出し手の判断が遅い上に受け手もボールを保持してから次の一手を考えるから連動しない。挙句の果てには足下にすら付けられないミスパスを犯してターンオーバーされてしまうのだから目も当てられない。

 あれだけ悪い形でボールを失えば守備組織など整えられるわけもなく、G大阪のポジティブトランジションが威力を増していく。たたらを踏むように後退し続ける浦和守備網は時間の経過とともに焦燥の念を募らせ、ミスを頻発する攻撃陣は自らの不甲斐なさに悔恨の念を抱いただろう。

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