斬新な起用、適切な采配。大槻監督の手腕が光る【島崎英純】2018Jリーグ第7節・ヴィッセル神戸戦レビュー

ミラーゲームにせず

 大槻毅監督が今節のヴィッセル神戸戦で採用したシステムは前節のベガルタ仙台戦と同じ3-4-1-2。仙台戦では守備時に2トップ+トップ下の形で陣形を整え、攻撃時には興梠慎三の1トップにトランスフォームするように見えたが、今回の神戸戦では明確に興梠と武藤雄樹で2トップを形成し、トップ下にはキャプテンの柏木陽介が入った。

 神戸戦で3-4-1-2を採用したことで、大槻監督の意図が理解できた。YBCルヴァンカップ・グループリーグのサンフレッチェ広島戦では堀孝史前監督が採用した4-4-2を用い、仙台戦では3-4-1-2に移行したことで、当初は相手のシステムに合わせたミラーゲーム化を狙いにしているのではと感じた。ただ、今回の神戸は4-2-3-1を採用するチームだったのに対し、大槻監督はミラーゲームに持ち込まずに前述のシステムを採用した。このことから、大槻監督は所属選手の特長、特徴にマッチした役割を与え、現状ででき得るベストパフォーマンスを引き出そうと腐心しているのだと感じた。

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