興梠の2ゴールも虚しく、プレーオフステージで散る【島崎英純】2018YBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦・ヴァンフォーレ甲府戦レビュー

後がない浦和

 スタジアムまでの道程はいつだってわくわくするものだ。武蔵野線や埼玉高速鉄道線の車内が満員じゃないことに不安を募らせても、スタジアムを見据え、一歩ずつ前へ進む毎に心が高揚するのはいつだって同じだ。コンコースの隙間から新緑のピッチが見えたとき、私はいつも、『また、ここに来ることができた』と思い、これから始まるゲームの行方に思いを馳せる。 

 YBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦。浦和レッズはアウェーでの第1戦でJ2のヴァンフォーレ甲府に0-2で敗戦して後がない状況だった。

 このゲームが終わると、J1リーグはロシアワールドカップ開催による約1か月半の中断期間に入る。その間、浦和は1週間のオフ日を設け、6月27日からは静岡県静岡市で8日間のトレーニングキャンプを張る予定になっている。ポジティブな意識でチーム構築を図るためにも、国内3大タイトルのひとつを死守するためにも、今回は負けられない一戦。その気概は試合開始から仕掛けた猛ラッシュから十分に感じ取れたが、それと同時に強烈な違和感をも覚えた。歴戦の猛者と言っていいメンバーが居並ぶ浦和の試合内容は拮抗していた。理詰めの攻撃で相手を追い詰める一方で、少しでも隙を見せれば強烈なしっぺ返しを食らいそうだった。2018年6月9日の浦和は、ノックアウトステージ進出を懸けて、J2の甲府と全力勝負していた。

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