またも鬼門で沈む。課題を残すスコアレス敗戦【島崎英純】2018Jリーグ第21節・サガン鳥栖戦レビュー

鳥栖はダイヤモンド型の中盤

 ベストアメニティスタジアムでのゲームは激しい消耗戦となった。ホームのサガン鳥栖は4-1-3-2のようなシステム。中盤をダイヤモンド型にしてアンカーに高橋秀人、右MF・福田晃斗、左MF・原川力を配し、トップ下に小野裕二を置いた。肝となるのは小野だろう。2トップの金崎夢生とフェルナンド・トーレスは浦和3バックの厳しいマークに晒されるはずで、一段下で構える小野が浦和守備網の隙間に入り込めれば攻撃構築できる。逆に浦和はダブルボランチの青木拓矢、もしくは柏木陽介が小野と高橋秀を監視しなければならず、必然的に味方ボランチの間隔が開く。ただ前半の浦和はこのマーキングが適切に機能していて、柏木が高橋秀、青木が小野に付いて自由にプレーさせなかった。またフェルナンド・トーレスに対しては主に槙野智章がマーキングし、フィードボールの競り合いでは相手に先んじられながらもセカンドボールへのアプローチを速くして次へと展開させなかった。また金崎についてはリベロのマウリシオ・アントニオらが上手くカバーリングしていた。ただ、27分のプレーでは浦和から見てペナルティエリア内右付近でトーレスにボールが渡り、そこからパスを受けた金崎が強烈なシュートを放っている。金崎のシュートがゴール右へ外れたことで助かったが、このシーンは肝を冷やした。

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