【戦術コラム】 ミシャ→オリヴェイラの相似点はアントニオ・コンテ? 今一度、浦和のシステムを考察する。

本格的にドイツで取材を始めて約半年が過ぎました。新たなフィールドで学ぶことも多く、語学にも苦戦して日々勉強の毎日ですが、ようやく様々なノウハウや知識を蓄積できるようになってきました。ヨーロッパで暮らす中で、特にサッカーに関する話題は日々溢れていて、その刺激を吸収することで自らのスキルアップに繋げたい思いが強くなっています。

ただ、僕の中での中心軸はあくまでも浦和レッズというクラブにあります。どんなサッカーを観ても、『浦和に当てはめると、どうかな?』とか、『これは浦和も参考になるかもしれないな』などと、常に浦和と他の対象を比較しながら観察している自分がいます。この浦研プラスでは、そんな僕が日々得ている知識や感情、思いなどを反映できればなと思っています。そこで、これからは現在日々綴っているレビュー記事や各種コラム共に、浦和と世界との距離を見定めながら、『浦和から世界へ』という大テーマを元にした原稿も執筆していきたいと思います。

浦研プラス会員、読者の皆様、今後とも、どうかよろしくお願い致します!

 かつて、浦和レッズを率いたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌監督)は、「ユベントスは私が志向するスタイルを真似たのかもしれないね(笑)」と、冗談を交えて言ったことがある。“ミシャ”が話題に上げたのは、2011年から2014年までイタリア・セリエAのユベントスを率いたアントニオ・コンテ監督が率いたチームのことである。コンテは2011年5月にユベントスの指揮官に就任し、当時はあまり採用するチームが少なかった3-4-2-1システムを標榜して2011-2012シーズンのセリエAでスクデット(タイトル)を獲得し、2012-2013シーズン、2013-2014シーズンをも制して3連覇を達成した。そのコンテが採用したシステムは3-1-4-2と評されるもので、ミシャが用いた3-4-2-1とは多少異なる。しかし、自陣から丁寧にビルドアップを開始し、両サイドアタッカーが敵陣深くに張り出してFW、MFと共に攻撃者となり、中盤を省略する形でワイドなアタックを展開しつつ中央でコンビネーションを駆使するプレースタイルは、まさにミシャのサッカーとの類似点を感じさせるものがあった。

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