エース・興梠の神通力。チーム全体のプレー変化に良化の兆し。【島崎英純】2019Jリーグ第9節・清水エスパルス戦レビュー

新たなアクション

 浦和レッズは柏木陽介、橋岡大樹が2戦連続で欠場。またFW杉本健勇も2戦連続でチームに帯同しなかった。

 システムは今までどおりの3-3-2-2だが、選手の配置と戦略メカニズムに若干変更が見られた。まず試合開始から前半途中までは5-3-2のディフェンスブロック。これまでは2トップの一角の武藤雄樹が右サイドに降りて5-4-1を築いていたが、今回は興梠慎三と共に武藤も前線でファーストプレスを行った。また中盤はアンカー・青木拓矢の右にエヴェルトン、左に長澤和輝で、インサイドハーフの位置取りが入れ替わっている。この影響は顕著に表れていて、これまでアイソレーションの形であえて孤立する状況を生んでいた山中亮輔の左サイドに長澤が入り込んで攻撃構築する姿勢が見えた。また、この左サイドには武藤も流れ込んでいて、明確に左サイドでのポゼッションワークに変化を加えようとしていた。一方、右サイドは後述するが右ストッパーの鈴木大輔が敵陣方向に進出して森脇良太やエヴェルトンとトライアングルを築いた。これによって前半に関してはビルドアップが左右均等になり、チーム全体のポゼッションワークがスムーズになったように思える。

(残り 4253文字/全文: 4758文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2 3
« 次の記事
前の記事 »