またしても前半攻勢、後半劣勢。それでも2点のアウェーゴールを得る【島崎英純】2019AFCアジア・チャンピオンズリーグ・ノックアウトステージ準々決勝第1戦・上海上港戦レビュー
抜け目なくゴールを奪う
浦和の大槻毅監督は前節の松本山雅戦から対上海上港に際するチームコーディネイトを施していた。松本戦で敢行したターンオーバー策は結果を得られなかったが、もうひとつの目的であるACLの戦いでも明確に指針を示した。GK西川周作は不動。リベロ・マウリシオ・アントニオ、ストッパー・槙野智章&岩波拓也で形成するバックラインはチームのファーストチョイス。別メニュー調整を強いられていた青木拓矢がエヴェルトンとのコンビで中盤中央に立てたのは大きく、両翼の右・橋岡大樹、左・関根貴大は豊富な運動量が見込める人材だ。武藤雄樹がシャドーポジションのスターティングメンバーに名を連ねなかったのは意外だったが、局面強度に優れる長澤和輝の先発は想定内だったし、ファブリシオの一発には期待できるし、アジアの舞台で何度も起死回生のゴールを決めてきた1トップの興梠慎三は現在の浦和が最も頼りとする得点源だ。Jリーグの舞台で苦戦が続く浦和は難敵と予想された上海上港とのゲームを好転のきっかけにしたかったはずで、並々ならぬ決意で敵地へ降り立ったはずである。
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