決戦はドロー決着。浦和は最低限の結果を得る【島崎英純】2019Jリーグ第33節・FC東京戦レビュー

浦和はアル・ヒラル戦から4人を入れ替える

 FC東京は優勝を狙い、浦和レッズは残留を死守する。立場こそ異なれど、文字通りの決戦。FC東京のホーム・味の素スタジアムは超満員の観衆で埋まり、その舞台は整った。

 FC東京の長谷川健太監督は現状のベストと言える選手たちを送り出した。システムは定型の4-4-2で、複数人での構築でサイドエリアを攻略しつつ、ミドルエリアではシンプルなフィードでスピードとパワーを備える2トップを生かす。単純な組み立てだが、それが効果的なのはプレーを実行する選手の能力が傑出しているからだ。

 かたや浦和の大槻毅監督は前戦のAFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦のアル・ヒラル戦から若干メンバーを代えてきた。注目は両サイドの選手を刷新したことだ。右には橋岡大樹に代わって森脇良太、左には関根貴大に代わって山中亮輔が入った。橋岡と関根のコンディションが厳しいことは最近の彼らのプレーパフォーマンスを見ても明らかだったし、森脇と山中はFC東京との前回対戦で貴重な同点ゴールを決めたホットラインでもある。それでも指揮官は思い切った策に出たと思えた。また、シャドーには長澤和輝に代わって柏木陽介、そしてファブリシオに代わってマルティノスが入った。柏木と森脇の右サイドはスキル面で、マルティノスと山中の左サイドはスピードとパワーに特長がある。アル・ヒラル戦から4人が入れ替わった布陣で浦和にどんな化学変化が起きるのかが注目だった。

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