最終戦を勝利で飾れず。刷新、改革の必要性を痛感【島崎英純】2019Jリーグ第34節・ガンバ大阪戦レビュー

守備組織が機能せず

 浦和レッズは興梠慎三が実父の逝去で急遽故郷の宮崎へ戻ることとなり、ベンチ外になった。1トップにはマルティノスが入り、シャドーは柏木陽介と長澤和輝のセット。しかし、この前線トライアングルは序盤、攻守両面でバランス取りに苦しんだ。

 大槻毅監督は3-3-2-2システムを用いてゲームをコントロールするガンバ大阪にどんな対策を立てていたのだろう。相手のプレーメーカーがアンカーの遠藤保仁であることは周知の事実だった。試合開始から数分間の様子を見ていると、浦和は遠藤に対して前線のトライアングルが囲い込みで監視しているようだった。しかし最前線のマルティノスのプレッシャーは甘く、柏木と長澤の両シャドーも局面強度が緩かった。フリーポジションで遠藤がボールを受ける度にG大阪の流麗なアタックが発動する。特にワンタッチを駆使した前線へのフィードボールは威力抜群で、これに反応するG大阪2トップのアデミウソンと宇佐美貴史の動き出しも鋭かった。

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