コラムー2019シーズンを終えて痛感した、今の浦和の実力

実力通りの結果だった

 浦和レッズの2019シーズンが終わり、心の中に虚しさがある。

 AFCアジア・チャンピオンズリーグは決勝へ進出したが、サウジアラビアのアル・ヒラルに力の差を見せつけられる形で完敗してクラブ史上3度目となるアジア制覇の夢を逃した。ACLの浦和は中国スーパーリーグのクラブに優勢を示し、韓国Kリーグのクラブには苦戦を強いられた印象がある。それは北京国安に1勝1分、上海上港に2分、広州恒大に2勝で中国勢に対して3勝3分、一方で全北現代に2敗、蔚山現代に1勝1敗で韓国勢に1勝3敗という数字からも如実に示されている。

 今のアジアサッカー界は各国のプレーレベルが著しく向上している。代表のカテゴリーではイランや韓国といったワールドカップ出場常連国が2次予選で苦戦する中でトルクメニスタン、ベトナムらが躍進し、今年のアジアカップUAE大会でカタールが初優勝を飾った。今のアジアは地域全体の底上げが成されているのだ。その中で、アジアのクラブカテゴリーの範疇でも自国選手の実力がチームレベルに多大な影響を及ぼすようになってきた。ACLの外国人選手枠はAFC非加盟・管轄外の外国籍選手3人に加えて、AFCに加盟する国・地域の外国籍選手1人を同時起用できる『3+1』枠だ。そのため、その他の7人は自国籍の選手となる。これまでのアジアの世界では突出した個人能力を備えた外国人選手のパワー&スピードが結果に反映される傾向があったが、チーム戦術が洗練され、プレースキルやフィジカル能力に長けるアジア人選手が増えてきたことによって『個に依存』する戦略は限界を迎え、チーム全体の総合力が問われるようになってきた。

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