2020年型浦和レッズ・4-4-2、各ポジションの役割を徹底分析−センターバック編−4バックのセンターに求められる素養は?

 浦和レッズの大槻毅監督が今季から採用している4-4-2は非常に興味深いシステムだ。4バック、4MF、2トップの各ユニットが連なる並びはオーソドックスだが、各ポジションの役割には現代サッカーのトレンドを踏襲する部分が垣間見れるし、ある一面では大槻監督独自のメソッドも見え隠れする。そこで今回は、各ポジション毎にその果たすべき役割やシステム上の戦術メカニズム、求められる選手の能力などを詳細に分析したいと思う。
今回はセンターバックについて。

他クラブで4バックの経験がある鈴木大輔はリーダーシップにも期待ができる

システム変更によってプレー傾向に変化が生じた

 

今季の浦和レッズで最もプレー傾向の変化を求められているのはバックラインの中央に立つ選手なのではないか。3バックから4バックへのシステム変更によって、彼らの役割はリベロ、もしくはストッパーからセンターバックという呼称に変わる。サイドバックのふたりとセンターの相棒を含めた4人でラインを形成し、その一段前で構える4人のミドルラインとも適切な距離と陣形を保ちつつディフェンスブロックを築かねばならない。また、ピッチの横幅をカバーする人数が限られるために多人数で局面移動せねばならず、相手ボールホルダーへアプローチするタイミングにも留意しなければチーム全体の守備組織が壊滅してしまう。
浦和に所属していた時に長らく3バックのストッパーの役割を担っていた坪井慶介氏は、3バックから4バックへの移行の難しさをこのように表現している。

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