リカルド・ロドリゲス監督「日本でも必ず周りから尊敬されるようなチームになれる」 2021年浦和レッズ新監督・TD会見 

西野努TD
昨年は3年計画の1年目ということで変革元年でした。数値目標を設定し、コンセプトをしっかりと構築し、コンセプトベースのチーム作りをしていくことを掲げていました。数値目標に関しては、残念ながら遠く及びませんでした。一方でコンセプトに関しては、最後まで走り戦い貫くという姿勢をたくさん見せてくれるようになりました。チームとしても少しずつ増えてきたと評価しています。一方で、個という観点でもたくさんの選手が成長してくれました。若手で出場機会を得た選手がいましたし、外国人選手も活躍してくれました。一方で、2022年のリーグ優勝という目標を考えた時に、成長速度という観点では少し物足りない、間に合わないかもしれないということで監督交代の決断をクラブとしてさせてもらいました。今年、2年目、昨年の課題も含めて、リカルド監督には改めて、コンセプトベースのスタイルをしっかりと構築し、それを選手、チームに落とし込んでもらい、チームとしてのパフォーマンスを上げてもらうことを強く求めています。チームの目標は今年もACLの出場権獲得とさせてもらいます。もちろん、試合、全ての大会で負けていいものは1つもなく、全ての試合、全ての大会で勝ち、優勝を求めていくことを前提として、最低限の目標としてACLの出場権獲得を掲げさせてもらいます。

リカルド監督の選定理由を3つほど簡潔に述べさせてもらいます。1つ目は、クラブが作ってきたコンセプト、そしてコンセプトベースのスタイルと合致していると判断しました。100%合致しているとは言いませんが、話しながら、お互い一緒にコンセプトベースのチームを作っていけるということで合意しました。クラブ主導のチーム作りに変わりはありません。

2つ目は、戦術家、戦略家としての彼の能力です。レッズにはただでさえ、才能豊かな選手がたくさんいます。そういう選手の能力を最大限発揮させるだけで、チームパフォーマンスは飛躍的に上がると思っています。それが複数のフォーメーションだったり、いくつかの戦い方だったり、そうしたものを柔軟に使いこなすことで、今ある選手たちの能力が最大限発揮できると思っています。また、対戦相手に対策を立てられた時もしっかりと作戦を立て、対策に対する改めての対策を試合中、試合中に柔軟に構築していき、選手たちにそれを落とし込んでいける、そうした能力を高く評価し、浦和レッズという才能豊かな選手がたくさんいるチームで、彼の能力を遺憾なく発揮してもらいたい。

最後に、彼が持つ野心です。経験値としてはJ1に関しては、監督としてありません。ただ、彼の野心はJ1で優勝し、ACLで優勝し、そしてさらなる舞台でプロの監督として成長していくことです。浦和レッズも野心を持って、今まで到達したことのない領域に行きたいと思っています。そういった意味では、彼個人の野心とチームの野心が一致したところで、一緒に成長していきたいという思いを持ち、監督として招へいすることとしました。

ロドリゲス監督
浦和レッズという偉大なクラブで指揮をさせていただく機会を与えてもらい、本当に感謝しています。浦和は本当にファン・サポーターが熱く、とても情熱があるので、彼らのためにぜひ、みなさんに楽しんでもらえるような戦い方をしていきたい。西野さんが話してくれたように、やりたいことだったり、見せていきたいことは合致していると思うので、そういうやり方を、特にファン・サポーターに楽しんでもらえるように、また監督としてさらに成長していきたい。

明日から全体練習が始まるが、すごく良い選手がたくさんいるので、彼らを1人1人伸ばすこと、そしてチームの力をどんどん伸ばしていくこと、そのやり方だったり、考え方はピッチ内だけでなく、外でも同じことが言えるので、人間性を含めて、常に全員で成長していければ。それから、どの試合でも勝つつもりで戦いながら、攻撃的に、私のスタイルを知っている方なら分かるかもしれないが、相手を押し込んで、攻撃的にいって、常に見てくれる方々が楽しんでくれるようなサッカーを展開していけるように日々取り組んでいきたい。今から新しい選手たちと、このプロジェクトをスタートさせることが楽しみで仕方ないです。あとは楽しいサッカーをしながら、チームとして大きく成長していければと思います。

Q クラブ主導の強化と言っていたが、監督のアイデアよりも優先なのか?

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